幸輝に言われた通り、不思議に思うことが
多かった。
私は思い出す。
私が不登校になって一週間後。
その日は朝になると、結依が家に来た。
結依とお母さんの会話を階段を上ったスグのところで立ち聞きをしていた。
すると、結依が大声を出した。
私は部屋に戻ると急いで用意をした。
あまり行きたい気分じゃないけど、大丈夫
って言ってる結依を信じないわけにもいかないから…
私は玄関に向かう。
私の姿を見た瞬間、結依が笑顔になった。
そう言うと、結依と外に出て、歩き出す。
翼と幸輝はいなかった。
そう言われ、教室前の廊下に着く。
私は怖くなり立ち止まってしまった。
すると、結依が私の背中をトンっと押した。
教室に入ると、全員の視線が私に集まる。
何故か、私と結依以外の全員は既に来ていたのだ。
私はおずおずと席に座ると、結依は自分の席に座ってしまった。
俯きながら机の中に教材を入れていく。
すると…
顔を上げると、イジメの主犯の野瀬星奈含む私をイジメてた女子達が立っている。
星奈が深くお辞儀をする。
本当に反省した顔で話している。
すると、後ろの女子達も謝り始めた。
最後には周りのみんなも…
そう言うと、「ありがとう!」って言われ、
抱き着かれた。びっくりしたものの他の人達も私の周りに集まってくる。
みんな、「ありがとう!」「仲良くしよ!」
って声をかけてくれて。
みんなが笑顔で話しているのを見て、私も
つられて笑った。
すると、みんなの間から見えた窓際。
窓際にある翼の席に集まった幸輝と結依。
少し話すと、幸輝と結依は笑顔で、翼は少し微笑みながらハイタッチをしていた…
そう言って、人差し指を口元で立てると幸輝はあの時のことを話し出した…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。