北人side
あなたのストーカー事件から、早くも4日
小松は俺の言葉が効いたのか、一切あなたに近づかなくなった
だけど、平和な毎日が戻ったかと思いきや……
……最近、翔吾がやたらあなたにちょっかいを出す
それを見て、なぜかイライラする俺
翔吾は俺とあなたが幼なじみだってこと知らないから、余計にイラつく
壱馬は自分もコーヒー牛乳を飲みながら、俺に開いていない方を渡した
最近、放課後になるとコーヒー牛乳を飲むのが日課になっている俺たち
放課後なら、いつも周りで騒いでいる女たちは遊びの誘いを断ればいなくなるから、ゆっくり出来るんだ
なのに、その放課後が翔吾のせいで台無しだ
壱馬の問いかけに百合はフンっと腕を組んでそっぽを向いた
壱馬はまた俺に問いかける
……は?
嫉妬?俺が?
俺があなたを好き?
だって俺……
壱馬のセリフに、俺は言葉を失う
俺が今心の中で思っていたことだったから
いや、俺はまだ麗華が……
また、翔吾の声が聞こえてきた
ちっ、なんでこんなにイライラすんだよ、
……あぁーーーーもうっ!
俺は席を立った
あなたの腕を掴んで、教室から出た
知るかっ!なんかムカつくんだよ!
あー、ムカつく……
なんでこんなイラつかなきゃなんねーんだよ
おれ、おかしくなったんじゃねぇの
やべー、あなたに呼ばれてたの気づかなかった
さっき教室を出たと思っていたのに、
いつの間にかもう靴箱のところまで来ている
そう言いながら、俺の顔を覗き込むあなたが可愛いと思ってしまう
なんかあったか、だって?
ありましたよ、お前のことでな
あ、
ちょっと意地悪してみる
なっ、なんつー顔してんだよっ
顔真っ赤にして微笑むんじゃねぇよ
反則だろ、その笑顔っ
つーか、意地悪のつもりが俺の方がやられてんじゃん!
やばい、ドキドキが止まんねぇ
あ、勢いであなたを引っ張ってきたから、どこ行くかなんて考えてなかった
あなたは満面の笑みを浮かべて、俺の顔を見上げた
……っ!
ドキドキさせやがって、コイツ計算か?
いや、あなたに限ってそんなことあるわけないか
中途半端でごめんなさい!
次、♥️×15で投稿します✨
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。