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おすすめに選ばれましたぁ!
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脳がスリープ状態になっていた私は、視界に入ってきたグリッドを、見て戸惑った。
窓から覗く眩しい光。これが、……「アサ」?
この世界は光に包まれる天気がある。人間は、眩しくないのだろうか?
これが毎回来るのだ、人間は慣れているにちがいない、そう思い直して、グリッドについていく。
私がつれていかれたのは、大きなテーブルがある部屋だった。
横に人間が大勢座っていて、黄土色の食べ物をむさぼっていた。
グリッドが口から声を出すと、一斉に人間がこちらを向いた。人間は、七歳ぐらいの子供が多かった。
たどたどしく、でもなるべく大きく、挨拶をした。
人間の顔は笑顔になり、「こっちに座って」や、「よろしくねー」などの声が飛んできた。
人間は食べる前に不思議なことをするものだ。
私は目の前にある丸い穀物に、目を向ける。
果物以外の食べ物なんて、始めてみた。私はグリッドの真似をして、それにかぶりつく。
気づいたら、口からそんな言葉が出ていた。
不思議だ。おいしい、なんて言葉知らないはずなのに。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。