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第7話

エピローグ
112
2019/01/16 08:52
ー10年後。
人工人間は医療界の新星として、活躍していた。
しかし、
人工人間にも感情があることがわかり、感情を持つ人工人間の臓器を人間につけることが危険だと言うことがわかった。
人工人間を使っていた病院はどんどん潰れていった。
そのなか、唯一人工人間を使わず、新しい治療法を編み出したグラス博士の病院で、僕は働いていた。
アレックス
グラス博士。
グラス博士
ん?どうしたんだい、アレク君。
アレックス
グラス博士はどうして手術に人工人間を使わなかったんですか?
この疑問は、僕が昔から抱いている疑問であった。
グラス博士
話すと長くなるんだけどね、聞きたいかい?
アレックス
はい
グラス博士
僕は昔ね、医療界に興味があった。医者になりたい、と思っていたんだ。
グラス博士
だから人工人間が作られた当初、僕は病院通いで「人工人間について」の掲示板を読んでいた。その頃、「人工人間には感情がない」とかいてあったんだよ。
アレックス
その頃から間違った情報が流失していたんですね……
グラス博士
僕はある日、人工人間に出会ったんだ。道で倒れていた彼女を持ち帰り、目が覚めるまで看病していた。人工人間は髪の毛の根本が金属でできているから、すぐに見抜いたんだ。
グラス博士
そこで、彼女には感情があることを知った。
グラス博士
彼女は人生を楽しんでいた。僕はいつしか彼女に恋をしていた。……こんな毎日が続くと思っていたんだ。
博士は眼鏡をぐいっと押し上げ、話を続けた。
グラス博士
ある日、僕が事故で跳ねられ、倒れた。その手術の内蔵を提供してくれたのは、彼女だった。
グラス博士
彼女は僕のせいで死んでしまったんだ。……だから、人工人間とかいう存在をこれ以上、悲しい結末に終わらせたくなかった。
グラス博士
だから僕は、医者になる道を歩いた。
アレックス
……………………そうだったんですね。
グラス博士
長話もここまででいいだろう。そろそろいくぞ
助手
アレク!ちょっと来てくれ!
アレックス
あ、はい!






















嗚呼、ソフィ。僕は君を、忘れていないよ。
彼の胸には、名前のプレートが貼られていた。
"グリッド・グラス"
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この小説は今回で最終回です。見てくれた方、ありがとうございました!最後に感想などをコメント欄に書いてくれたら嬉しいです!

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