第2話

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2018/12/16 00:05
ぱたぱたと大勢の医者が私がいる部屋にやって来た。
???
…?
ただ、それっきりでなにも話さない。
だが、この沈黙を破るように誰かが声を発した。
???
通しなさい。
その声の主は、丸眼鏡をかけた60過ぎぐらいの医者だった。
その医者はゆっくりと私に近づくと、何かの機械を私の頭に取り付けた。
???
―…!?
それがいきなりのことで、私は声をあげずに抵抗する。
でも、次の瞬間、私は動けなくなった。
私の頭に乗っている機械から、色々な情報が無理矢理押し込まれていく感触があり、激しい頭痛が私を襲ったからだ。
???
――!!
???
これでいいだろう。この子は自分の年齢と同じ情報を頭に入れた。
丸眼鏡の医者がそういって、私から機械を取り外した。
エディ・ローダー
私はエディ・ローダー。私が分かるかね?
急に、医者が自己紹介をしてきた。
エディ・ローダー…?


そんな言葉、私は知らなかった。
遅く、それがその人の名前だということに気づく。この世界には人に名前をつける文化があるようだ。
__…じゃあ、私は…?
???
私の、名前は…?
その時、私は声をはじめて人に発した。
???
私は、誰なの?
最初から思っていた疑問を、ぶつけた。

すると、エディは少し機嫌が悪そうになって、たっぷりと間を持って
エディ・ローダー
…君は…人工人間、というんだ。
と、いった。
???
じんこう、にんげん…?
はじめて聞く言葉に、私は首をかしげた。
エディは私の呟きを無視するように、口を開けてこう言った。
エディ・ローダー
着いてきなさい。


私は、ある部屋に通された。
殺風景な部屋に、ベッドと、籠に入った果物、トイレがあった。窓から覗く月の光が、部屋を照らしていた。
エディ・ローダー
では、また明日。
そういうと、がたん、と勢いよくドアが閉められた。
私は部屋にある、鏡を覗く。そこには、腰ぐらいまでの白い髪で、青い瞳を持つ少女が立っていた。その少女は、死んだような顔をしていた。
それが、始めてみる私の姿だった。
ぶる、と体が震えて、寒いことに気づく。私はベッドの上に置いてあった水色のカーディガンを白いワンピースの上から羽織り、黒い靴下を履いた。
次に、籠の中身を覗く。そこにはリンゴやバナナなどの、果物が入っていた。
???
……ん?
籠の下に、紙切れがあった。
私は、それを開いて、読んでみる。
もしこの手紙を見ているなら、今すぐそこから逃げ出した方がいい。
君は人工人間。人間に臓器を差し出すために作られた、いわば身代わりのロボットだ。
人工人間は0歳のときに作られ、大体13から80歳で目覚める。それは、人間に与える臓器のサイズを合わせるためだ。
もし君が15歳ほどなら、君は15歳の人間に臓器を与える使命が作られている。
君があった医者達は、人工人間の価値など全く分からない、残酷な人間だ。
今すぐそこから逃げ出して、外の世界に行くんだ。
人間に身代わりとして殺されるか、外の世界で生きるか、良い方は言うまでもない。
外に出たら、アンクル孤児院を探せ。そこでなら、バレずに匿ってもらえるはずだ。
今すぐ逃げ出すんだ!殺されたくなければ!
___殺される…?
この手紙を書いた人はわからない。でも、人工人間で、もう死んでしまった人だということはハッキリしていた。
私はこの手紙を読んでから、不快感に襲われていた。
あの人も、あの医者も、エディ、という人も、
__……残酷な人間…?
私は窓を見上げた。そこまで高くはなく、私だったら入れそうだ。
ベッドから窓に乗り移り、そこから地面に降りた。
地面には、草むら辺りに靴が用意してあった。
私は手紙の人の用意だろう、と思い、その靴を履いて逃げた。
風の抵抗を受けて私の髪の毛がなびく。
















































__私はその時、はじめて涙を流した。

流した理由は、わからなかった。

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