USJの自動ドアの目の前に立ち、少し開いているドアに手を掛けようとしたその瞬間
ドォォォンンッッッ_!!!
凄まじい爆発音のようなものが轟いて、音の正体は上からした
サングラスをズラして顔を上に向けると、
天井を突破って、雲さえ吹き飛ばす程の勢いではるか遠くに吹き飛んだヴィランが見えた
恐らくこんなデタラメなことが出来るのはオールマイトを置いて他に居ない
改めてNO.1ヒーロー、オールマイトの凄さを実感した
彼が平和の象徴となったお陰で、私たちの仕事も少しはマシになった筈だから
…まぁそれでも呪いが消えることは決して無いけどさ
音を立てて扉をこじ開ける
すると何人かがその場で座り込んでいたり棒立ちしているクラスメイトが居た
私じゃ皆を安心させられない
だから委員長が来る前に私は私のやるべき事をする
今目に見える範囲では下ら辺に一級二級程度が
ヴィランを夢中で貪ってる
そしてあとは雑魚が何体か散らばっているな
不運なことに、雄英に乗り込む時に呪霊と鉢合わせてしまったのか
ヴィランは悲鳴を上げ、突如現れた未知の存在に逃げ惑うばかり
大きな口を開けてヴィランの肉をかぶりつき、
ただいたずらに目の前にある命は全て喰らい尽くす
これぞ正に地獄絵図、既にここに居る人達が顔を青ざめて立ち尽くしてる
この子達にはキツい光景だろう
六眼で見た感じオールマイトの所に一級二級が固まっている
でもクラスメイト達全員は無事なようだ
だからと言って安心はできない
今この瞬間にも呪いによって誰もが殺されてもおかしくない状況
呪霊共は目の前の獲物に夢中でこちらには見向きもしない
そこで私はポケットに入っていたあるモノを取り出した
そして”ソレ“ 巻き付いて居た御札を剥がすと
すると、さっきまで私に目もくれなかった呪い達が一斉に此方に注目する
誰かが声にならない悲鳴を漏らした
その横で私は静かに笑う
その言葉を合図に全ての呪霊がヴィランを襲うことを止め、一斉に指の方へと向かってくる
そして私は持っている両面宿儺の指…
それを空中に投げる
すると呪い共はその指を追って飛び付こうと集まる
指は俺が取るとでも言うように、指を中心に空中で
団子状態になっている呪霊共に照準を合わせて
——術式反転「赫」
NEXT⇀
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!