私が意識を失っていた間の出来事を相澤先生の口から聞かされ
その話を聞きながら登校時の記憶を辿ろうとしても、
まるで頭にモヤがかかったような感じで、あまりハッキリと思い出せない
恐らく無意識で呪霊を祓ってたのかな
あの時はちょっと精神的に疲れてたから記憶が曖昧だ
いくらなんでも無限を張らずに体を張ってまでやるとか情けなさ過ぎる
…まぁでも非術師の人が無事ならそれでいいけど
無茶、か…
それはきっと聞けない願いだろう
無茶でもしなければ、兄さんに認めて貰えないもの
一刻も早く認めて貰えるように強くなって、沢山祓って守って
みんなに見てもらわなきゃ
兄さんの目に留まらなきゃ
でなきゃ……
私は、もう一度兄さん達と幸せな日常を歩む為に
私の生きる意味は全て、みんなの幸せを守る為に
私は絶対に、諦めたりしないから_
だから…、許して
今、私は一体何を考えてた_?
この人は雄英の教師だ、しっかりしろあなた
今は五条家と何も関係ないじゃないか
相澤先生の言う親御さんというのは恐らく蓬城の方だろう
あれからしばらく連絡取ってないが、そっちでも何かあったのだろうか
案の定と言うべきか、やっぱりそう来るよね
ここはとぼけるのが正解なのだろうか
それとも包み隠さず全て吐き出すのが正解か、私には分からない
全てを伝えてしまえばどうなるか…
最悪退学も有り得る
個性把握テストの時、最下位は除籍処分も厭わない先生よ
今思えばあれは真意だった
学校を追い出されることだけは何としても避けたい
今はここだけが、私の居場所なのだから_
意外と言えば意外だった
まさかお咎め無しとは、
私がヒーローに成れさえすればどうだっていいのか
相変わらず目先のことしか考えてなくて
私の心情など興味無いのね
まぁ、今だけはそのことに救われたけど
生まれ変わってもろくな親じゃないとか
一体私が何したってんだ
そんな話聞いてないよ
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。