相澤side
保健室の扉は俺が最初に来た時に開けて、そのままにしていた
突如ミッドナイトが、やっと見つけたとでも言うように少し息を切らして俺を呼ぶ
すまない、とだけ言って蓬城は婆さんに頼み、
ミッドナイトが言うにはそいつは校長が相手しているそうで
俺は急いで保健室を出て、電話の相手が待っているであろう校長室へと向かった
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と、校長の横に立っていた人物に目を向ける_
ピンクを帯びた髪色にツーブロック
元気で声が大きい体育会系男子というのが最初の印象
雄英に居るということで緊張しているのか少しぎくしゃくしている様子
だがこいつは善人だということは目を見てすぐに分かった
「 もうグワッ!と!!、これくらいに!!」
と若干語彙力が無くなっているが、それでも懸命に伝えようと腕を大きく広げて
まるでワニの様な大きい口を表しているかのようだった
「 こう、犬の口に骨を咥えさせるみたいに__ 」
と、思い出したのか少し顔を青くする虎杖さん
口がとんでもなくデカいヴィラン…
じゃああの噛み跡はその時出来た可能性が高そうだ
と考えながらも再び虎杖さんの話に耳を傾ける
消えたというのはどういうことだろうか
青年を殺し損ねてヴィランが諦めて去っていったのだろうか
校長は目線をこちらに向け、確認するように問う
なるほど、そのために呼ばれたって訳か
「あいや、大丈夫なわけがないか… 」
と落ち込んだ様子で目を下に落とす
そう言ってやると今度は心底安心したように笑顔で安堵の息を吐く
と言うと真剣な顔付きになる校長に
虎杖悠仁はゴクッと唾を飲み、この場には緊張感が走る
ウチの生徒が襲われたんだ
生徒を守るのは教師の役目
何処へ行こうとも必ず見つけて罪を償わせてやる
二度と馬鹿なマネは出来ないように、な
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。