いつもいつも言おうと思って、
やっと望んだシチュエーションになれたのに。
いざ本人を前にすると、
頭の中が真っ白になっていく。
モヤがかかったように、言葉が消えていく。
軽くパニック状態である。
待ってるからと、さとみくんは続けた。
…くそ、不覚にも
ときめいてしまったではないか…。
こういう、スペック高いのむかつくわ…
なんて悪態ついてる場合じゃない!
ちゃんと言わないと…
さとみくんが静かに私の名前を呼ぶ。
怖い。
何を言われるんだろう。
気持ち悪い、とか?
もう関わりたくないって
言われたらどうしよう。
さとみくんの目を見られない。
黙っていると、さとみくんは
また静かに溜め息をついた。
今彼はなんと、?
変な感じになってました。
コメントで教えて下さりありがとうございます
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!