さとみside
そう言うと天月さん達はステージ横の
機械類の所で何か準備を始めている。
え?すとぷりに電話?
誰々?まさかうらたぬきさんとか??←
天月さんがスマートフォンに
USBを繋いだ時。カチッと音がなり
画面が一瞬暗くなった。
そして数秒後、画面が明るくなって
映ったのは薄青色の病院服。
…………………嘘でしょ、
『あーあー、マイクテステスー』
『そらる、うるさい』
『それが俺なんで、ごめんね天才で』
声しか聞こえないけど間違いない。
あなただ。
会場中は黄色い歓声や泣き声が聞こえる。
なんで、あなたはまだ寝てるはずなのに。
『あ、どーも皆さん。あなただよーん』
『るぅと大丈夫、現実だから』
『なになに莉犬どしたどした、お前も壊れたかおい』
『案外大丈夫、俺って強いからな〜』
『おいころん、師匠になんて口聞くんだこの野郎』
『ん?おぉ、さとみくんじゃないっすか』
『え、もう随分寝てるから大丈夫』
こんな素っ気なくしか話せない。
どんな顔してるかな、俺。
あなたが目を覚ました事に驚きすぎてって
理由もあるけど、やっぱり
あんなに酷いこと言ったのに普通には話せない
『…さとみくん、俺、怒ってないよ。確かに嫌なこと言われたけど、そういうこともあってこその人生だと思う。』
『だから、ライブ終わったらさ、…俺の病室、皆で来てよ。待ってるからさ』
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!