さとみside
ソファの端で体操座りをしているあなた
その隣にころん。
いや近いだろ!なんてそんなに近いんだよ!!
踵を返し、部屋に戻ろうとするあなた
俺は不意にあなたの腕を掴んだ。
ジタバタと暴れるあなたを引きずって2階へ
あなたは早くこの状況を打開したいようだ。
正直、自分がどうしたいのかよく分からない。
あの夏祭りの夜、俺はあなたにキスをした。
それはあなたに言った通り守るため。
でも俺の心が違うと言う
本当は、 " ヤキモチ "……だって
あなたの男装がバレて
もうあなたに、
触れる口実が無くなってしまったから
もう彼女は、
俺のことを拒絶するだろうか。
彼女が " バカ "の理由を聞く前に去った。
コレは何が何でも話せそうにないから
気づかないで欲しい。でも
いつかは届くかな…なんて
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。