いや、お前が泣かしたんだよ
ころんは俺の頭を撫でながら
ハァ・・・と溜め息をついた
なんか今日、泣いてばっかだ
俺、乙女になったな・・・と自嘲気味に笑った
こないだまで男として見られてたくせにさ
女ってバレた途端コレだもんな
だから女は嫌なんだ。
泣かされてばっかだろ?
理不尽な立場だよなぁ
いつまでも泣いている俺を見かねて
頬をつねられる。
止めんか、余計に涙が出るだろ
ころんは痛がっている俺を
見て手を離した。
つねられた所がジンジンと余韻に浸る
もう顔とかボロボロなんだろうなー
またもやころんの脅し発言に困惑する
あ、脅しじゃなかったんだよな
ころんは後ろ手で
手を振りながら歩き出した。
あ、
俺はころんの服をつまんだ
驚きながら振り返るころん
んー、ちょっと忘れ物、的な?
ころんはきちんと向き、
俺のおでこに手を伸ばした。
軽く目を瞑る。刹那、
ちゅっ___
リップ音が響いた。
俺はただ唖然と、そそくさと逃げていく
ころんを見守る他無かった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。