さとみside
病院に着いた時は、玄関に
報道陣の人でごった返していた。
俺はその人々の間を縫い、中に入った。
個室の中には、すとぷり全員と
天月さん達が揃っていて
皆は俺に気づいたらしく、道を開けた。
すると見える人物
ベッドに横たわる人物__あなた。
俺は呆然として、その姿を見つめていた。
ようやく出た声は絞り出したような震える声で
今聞きたい事なのに、聞いてしまった後悔。
もしそれで「もう…」なんて返ってきたら
俺は立ち直れないだろう。
お願いだ、生きて。あなた…
すごく安心した。
まだ、死んでないんだ。
なんだよ、それ。
あなたが、いつ死ぬか分からない?
目を合わせるのも、話すのも、笑い会うのも
もう、出来ない…?
こんな事になるなら
もっと早く話すべきだった。
伝えたかった。
例えあなたの迷惑になったとしても、
お荷物になったとしても、
知って欲しかった。
_____命に代えても惜しくないほど
あなたを愛してしまった、と。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。