あなた「遊真……っ!」
ヴィザへ蹴りを入れたのは遊真だった。
遊真「すまん、遅くなった。」
私を庇うように前に立つ遊真。
背中越しに聞こえた声に、
あの日の出来事がフラッシュバックした。
違うんだよ…………"あの時"も、今も、遊真は悪くないんだよ…………
遊真「姉ちゃんがアフトクラトルに行っちゃうんじゃないかって、俺ちょっと怖かった」
あなた「!!」
遊真「あいつの手…掴もうとしてて、目の前、真っ暗になった」
「あの時みたいに……」とぎゅっと唇を噛み締める。
あれは、……みんなを助けたいと願ったあの"選択"は、………………
あなた「……………………。」
迅「派手にやったな〜」
遊真「…………あ、しまった。警戒区域の外で戦っちゃいけないんだった。」
迅「気にすんな。なんせ非常時だからな。あなたが連れてかれる前でよかった」
あなた「っ…………、あのっ!迅さ_______
迅「お前はメガネくんたちと基地にむかえ。連絡通路はどこも使えない。京介とC級を護衛しろ、トリオン兵に気をつけろよ。」
あなた「…………………はい。」
ヴィザ「おっと、これ以上逃げ回られるのは………
御免蒙りたい」
遊真「動くな」
ガキッ
『鎖』印によって、ヴィザの動きが制限される。
ヴィザ「……………これは……(今の蹴りの時、既に布石を打っていたと言うことか……)」
ヒュース「チッ………!!」
すかさずヒュースは破片を飛ばそうとするが、
迅「エスクード」
ヒュース「!!(道に壁が……!?)」
道を阻むようにたった二人。両者共に睨み合う。
遊真「お前たちが何したいかは知らんが、姉ちゃんは絶対に渡さんぞ」
“姉ちゃん“と言う単語が出た瞬間、ヒュースの眉がピクリと動く。
ヒュース「姉だと……?」
遊真「嘘だと思うんなら、直接聞いてみたらいいじゃん。まぁ………"できれば"の話だけどな」
疑わしげな目を向けるヒュースに遊真はさらに挑発した。
ヒュース「っ………!!」
ヴィザ「ほぅ…………」
ニヤリとしながらも確かな殺気を放つ遊真に、ヴィザとヒュースは後ずさる。
迅「もうあいつらには追いつけないよ。
おれのサイドエフェクトがそう言ってる」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。