第60話

合流
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2022/10/12 11:34





あなた「遊真……っ!」




ヴィザへ蹴りを入れたのは遊真だった。




遊真「すまん、遅くなった。」





私を庇うように前に立つ遊真。




背中越しに聞こえた声に、


あの日の出来事がフラッシュバックした。




違うんだよ…………"あの時"も、今も、遊真は悪くないんだよ…………





遊真「姉ちゃんがアフトクラトルに行っちゃうんじゃないかって、俺ちょっと怖かった」



あなた「!!」



遊真「あいつの手…掴もうとしてて、目の前、真っ暗になった」




「あの時みたいに……」とぎゅっと唇を噛み締める。



あれは、……みんなを助けたいと願ったあの"選択"は、………………








あなた「……………………。」




迅「派手にやったな〜」



遊真「…………あ、しまった。警戒区域の外で戦っちゃいけないんだった。」


迅「気にすんな。なんせ非常時だからな。あなたが連れてかれる前でよかった」




あなた「っ…………、あのっ!迅さ_______



迅「お前はメガネくんたちと基地にむかえ。連絡通路はどこも使えない。京介とC級を護衛しろ、トリオン兵に気をつけろよ。」





あなた「…………………はい。」








    































ヴィザ「おっと、これ以上逃げ回られるのは………
御免蒙りたい」



遊真「動くな」





ガキッ

『鎖』印チェインによって、ヴィザの動きが制限される。



ヴィザ「……………これは……(今の蹴りの時、既に布石を打っていたと言うことか……)」


ヒュース「チッ………!!」




すかさずヒュースは破片を飛ばそうとするが、



迅「エスクード」



ヒュース「!!(道に壁が……!?)」





道を阻むようにたった二人。両者共に睨み合う。



遊真「お前たちが何したいかは知らんが、姉ちゃんは絶対に渡さんぞ」



“姉ちゃん“と言う単語が出た瞬間、ヒュースの眉がピクリと動く。





ヒュース「姉だと……?」



遊真「嘘だと思うんなら、直接聞いてみたらいいじゃん。まぁ………"できれば"の話だけどな」


疑わしげな目を向けるヒュースに遊真はさらに挑発した。




ヒュース「っ………!!」


ヴィザ「ほぅ…………」







ニヤリとしながらも確かな殺気を放つ遊真に、ヴィザとヒュースは後ずさる。




迅「もうあいつらには追いつけないよ。
おれのサイドエフェクトがそう言ってる」







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