あの時と同じように私が走るのに精一杯なのを見て、夏目は迷わず私の手をつかんで引っ張ってくれた
どうしてもついていけない自分が、情けなく思えてくる…夏目の手の温かさと確かな力強さが伝わってきて、夏目は私をしっかりと導いてくれている…
私と違って、ちゃんと前を見据えて走れる彼の姿に、頼もしさを感じずにはいられなかった…
本当…なんでこの体はこんなに体力無いんだ!?
ギィ…
私達は屋上へ駆け上がり、扉を開けた…倒れた生徒たちの向こうに、時雨が静かに立っていた
やっぱりわかっていたんだね…「夏目」の事
うろ覚えだから少し新鮮感があって面白い…うん
妖の傘の部分がみるみる髪の毛に変わり、イケメンな素顔が現れた
そして旧校舎が大きく揺れ始めた
カッッ
ニャンコ先生は時雨に襲われそうになった夏目を「カッ」と光を出しながら飛びかかり、守った。さすが、用心棒だ…
しゅるしゅるしゅる
君はもう来なくなる──・・・
周辺がパァッと暖かい光に包まれた
時雨「すまなかったな、人の子よ」
時雨 「私を不浄と恐れなかったのは君とレイコだけだった…」
時雨はポンと笹田さんの頭の上に手をのせた
時雨「ありがとう…」
翌日の朝
笹田さんは少し残念そうに「そうだね」と言って学校へ向かって行った
夏目…優しい笑顔…フッ
夏目の目線の先を見ると倒れたカッパがいた
あっ!!これって夏目組犬の会のッ!!
そっかもう出会ってるんだった
夏目は溜息を吐いてやれやれと持っていたペットボトルの水をカッパの頭にかけた
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。