第4話

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2021/11/07 07:35
教室に戻る時に、別のクラスはもう授業が始まっていた。

また、怒られる。
そんな事を考えながら駆け足で教室へと向かった。
恵奈
恵奈
はぁっ、はぁっ…
教室の前の廊下に来たので、荒々しく弾んだ息を収めようと、一回足を止める。
こっそりと廊下から教室の様子を疑う。
まだ先生は来ていないみたいだ。
「よかったなぁ…」と呟いて教室に入ろうとした時、いきなり頭上から太い声がした。
先生
先生
おい!
恵奈
恵奈
先生
先生
また遅刻か…
もういい加減にしてくれないか!
恵奈
恵奈
……すみません…
クラスからは、沢山の笑い声。
私が遅刻をした訳じゃない__というのは皆分かってたはずなのに…














……私がこれまで生きてこられたのは、ある一つの「夢」があるからだ。
誰にも言えない「夢」。
それは「普通の日常を送ること」だ。
普通の生活が送れたなら…友達がいたり、家族旅行に行ったり、もしかしたら“恋人”だっていたかもしれない。
昔憧れていた「シンデレラ」。
シンデレラの名言といったら、「夢は叶えるもの」だと思う。それが心の支えとなり、今の私がいる。
だから、いじめに負けて人生は終わらせたく無い。
なんなら、その「夢」を叶えてからの方がいい。
恵奈
恵奈
よし、頑張るか。
誰にも聞こえないような小さな声で、そう宣言した。
温かい春の風が、寄り添うように、足に触れた。

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