第3話

いじめ
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2021/11/07 07:26
キーンコーンカーンコーン。

朝のチャイムが学校中に響き渡った。
窓からは今にも零れ落ちそうな木漏れ日。
5月の涼しいそよ風に乗って、鳥のサエズりも聴こえてくる。
クラスメイト1
クラスメイト1
おはよー!
クラスメイト3
クラスメイト3
あ、〇〇!
おはよー!
そんなクラスメイトの会話を聞きながら、いつも通りに朝の準備をする。
クラスメイト3
クラスメイト3
昨日のドラマ、見た?
めっちゃヤバかったよね!
クラスメイト1
クラスメイト1
あ〜見た見た!
あの晴ちゃんが出るとはね〜!
話はまだ続いているらしい。
机の上に座って、輝いた瞳で青春を楽しんでいる。
恵奈
恵奈
はぁ…
私にはとても無理なことだ。
人生に楽しみなんて1つも無かった。
友達もいないし、恋なんてしたことない。
虐められているのもあって、どんどん暗い性格になっていく。
いじめっ子B
いじめっ子B
あ!いたいた!
例のいじめっ子が来た。
もう1人いて、いつも自分の仕事を押しつけては、意地悪をするばかり。
最初は無視をされるだけだったので、生活に支障は出なかったが、次第にひどくなり、物を隠されるなどの嫌がらせを受けるようにもなった。
いじめっ子A
いじめっ子A
今度は何をさせようかな…?
また仕事を押しつけようとしている。
いじめっ子A
いじめっ子A
あ、そうだ!
これ、持ってってくんない?
渡されたのは、ビニール袋に入った大量の生ゴミ。
中には腐った野菜や、ビールの缶などが入っており、ナメクジが何匹かうごめいている。
恵奈
恵奈
ひっ…
いじめっ子B
いじめっ子B
マジでウケるw
中になんかいるけど大丈夫ですか〜?
いじめっ子A
いじめっ子A
やめなよw
可哀想じゃん、これくらいにしておこw
親にゴミ出し頼まれてさ、マジでめんどかったから助かるわー
「じゃーね!」と、馬鹿にした顔で2人は笑いながらもとの席に帰っていった。
恵奈
恵奈
こんなの…ひどいよ…
不意に流れた涙は頬をつたり、教室の床にポタリと落ちる。
恵奈
恵奈
うっ…うっ…
早く教室に帰らないと、怒られる…
私はゴミを出して、駆け足で教室へと向かった。

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