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第13話

メイド
学園祭、当日。

幸い天気もよく、絶好の学園祭日和となった今日。
ぞくぞくやって来るお客さんに、クラスの皆は奔走していた。


私とアリサは、担当の時間になったのでメイドの姿に着替える。
美麻アリサ
美麻アリサ
ミキかわいいーっ!
アリサが手を叩いて褒めてくれる。


そんなに言われると、ちょっと照れる。
栗原ミキ
栗原ミキ
ほ、本当?
美麻アリサ
美麻アリサ
うんうんっ! じゃあ早速呼び込みは頼んだ!
美麻アリサ
美麻アリサ
ミキが宣伝してくれればお客さんいっぱい来るだろうからさ!
こ、この姿で外に行くのか……。
メイド姿は、意外と本格的で、スカートもまぁまぁ短い。

正直、本当に似合っているのかわからなかったが、クラスに協力するのは当然だ。
精一杯宣伝をしなくちゃいけない。


──おかしいな。
青春なんて大嫌いだったのに。


アカネとだってずっと話していなかったのに。



今は『嫌い』とは思わない。
ただ、『楽しんではいけない』という戒めは確かにそこにあって。
私を重く縛り付けている。

ぼんやり考え事をしながら宣伝していたものだから。

近づいてきていた人に、気づかなかった。
そこのメイドのねーちゃん
可愛いねぇ
俺たちとたのしーこと、しない?



──


先生
では、学園祭のメインイベント、『ミスターコン』の開催を宣言します
わああ、と場内が盛り上がる。
音静チヅル
音静チヅル
……那津岡先輩
観客に手を振りながら、声はこちらに向け、隣の音静が話しかけてきた。

俺にしか聞こえないような小さな声だ。
那津岡アカネ
那津岡アカネ
……なんだ
音静チヅル
音静チヅル
僕、もう、生半可な気持ちじゃないので
音静チヅル
音静チヅル
ずっと……考えてました
僕、本気でやりますから……恨まないでくださいね?
はっ、ただの後輩の癖に、大口を叩く。
那津岡アカネ
那津岡アカネ
望むところだ
鼻で笑って、周りをさっと見渡す。

……いない。
音静チヅル
音静チヅル
来ませんね
やっぱり、あのお姉さんのことが引っ掛かっているんでしょうかね、と少し暗い声音で話しかけてくる。

……おかしい。

ミキは一応、受け取ってくれたし、断る雰囲気でもなかった。
自分だけ見とけなんて、後でカッコつけすぎたと後悔したが、それでもその言葉しか思い付かなかったんだから仕方ない。



……何か、あったんだろうか。


嫌な予感が。


俺は音静には答えず、ミキのことを考える。
ミスターコンでは、それぞれの特技を舞台で披露する。


朗読だったり歌だったり、楽器だったりバク転だったり、観客を楽しませるのだ。
結果は投票制で、一人十分間のアピールタイムの後、観客が良いと思った男子に票をいれる。
俺の順番は『最後』だった。
クジで決まるので、これが当たりなのかはずれなのかわからないが……少なくとも、今は。


俺にとって当たりだった。


運営委員に話しかける。


那津岡アカネ
那津岡アカネ
ちょっと用ができたから席を外す
女子生徒
はい、わかりました……ですが、担当の時間までに帰ってきていただかないと、
アピールタイムなしでの投票になります
つまり、コンテストに不利になると。


でも、いい。

戻ってくればいいんだから。
そして、音静に勝つ。