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第14話

幼馴染み
栗原ミキ
栗原ミキ
……困ります。今、呼び込みを……
ねーちゃん、さぁ
自分の立場わかってる?
うーん、えぇと。

今、三人の男に囲まれて、人気のない場所に追いやられている女子ってところか。
周りから見れば絶体絶命。
私じゃなければ泣いていたかもしれない。


でも。
栗原ミキ
栗原ミキ
そんなに、大したことじゃないわ
あ?
栗原ミキ
栗原ミキ
邪魔だったらどかして前に進めばいいだけなのよ
呼び込みは大事な仕事だから、ごめんね?
私は、なぜか他の女子よりもこういう風に男の人から話しかけられやすいみたいなんだよね。

だから私は小さいときから格闘技を習っている。
力の差があったとしても問題ない。

……はっ?
呆然としている男を投げ飛ばし、意識を刈り取る。

さすがに久しぶりに動いたからか、息が切れてへたりこんでしまった。



メイド服も汚れてしまっているし、時間的にミスターコンも間に合わないだろう。



……結局。
栗原ミキ
栗原ミキ
楽しむことはできなかったから、結果オーライ、かな
青春を……楽しまずにすんで。



よかったはずなのに。
なんだか、胸が苦しくて。

悲しくて。



私は──
那津岡アカネ
那津岡アカネ
ミキ!
聞きなれた声にからだが震えた。


今、一番聞きたくなかったような、焦れったいほどに聞きたかったような、そんな声の主が私の前に立っていた。


地面に座り込んだ私を立たせ、服をはたいてくれる。
栗原ミキ
栗原ミキ
……アカネ
那津岡アカネ
那津岡アカネ
怪我はないか? 怖くなかったか?
ごめんな、離れて……ミキがナンパされて危ない目に合うのは毎度のことなのに
……そうだ。


最近はずっと、アカネが守ってくれていた。
だから私は息が切れるほど体が鈍っていたんだ。
栗原ミキ
栗原ミキ
うん、大丈夫
ちょっと疲れただけ
って。

そんなことよりも。
栗原ミキ
栗原ミキ
アカネ! ミスターコン!
那津岡アカネ
那津岡アカネ
え? あぁ、もういいんだよ。
お前が──
栗原ミキ
栗原ミキ
ばあぁーーかっ!
栗原ミキ
栗原ミキ
アカネがミスターコンのためにいっぱい練習したことは知ってるよ
どうでもいいわけないでしょ!
ほら行くよ、とアカネの手を引く。

あぁ、ダメだ。

ワクワクしてしまう。


アカネの舞台での姿はきっと、格好いいんだろう。
こいつはいつだって、私の自慢の幼馴染みなんだから。
那津岡アカネ
那津岡アカネ
うわっ
気づけば走っていた。
アカネも私に並ぶ。


二人で全力疾走してるんだ。
目立ちたくない、地味な高校生活を送ろう、と思っていたのに。


だけどもう、そんなのどうだっていい。



青春は、楽しんじゃいけないけど。
アカネが楽しんでいるのを見ていたいんだ。


だって私は、昔見せていたアカネの笑顔を



太陽みたいな眩しい笑顔を



もう一度見たいと願っているから。