無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第16話

優勝者へ
女子生徒
あ、あなた……!
私を階段から突き飛ばした子だ。


相変わらず綺麗な顔をしている。
怒りに染まった表情も人形のように整っていた。
女子生徒
また私をそうやって邪魔するのね…!
女子生徒
あなたのせいで私は恥をかいて、友達からバカにされて、
もう学校生活がめちゃくちゃになった!
目障りなのよ! 消えてちょうだいよ!
あまり似ていないのに。


彼女の姿が、なぜかお姉さんと重なった。
栗原ミキ
栗原ミキ
ごめんね
栗原ミキ
栗原ミキ
私は貴女のためには消えてあげられないの
……アカネに、青春を楽しめってお願いされたから
それに。
栗原ミキ
栗原ミキ
私が、楽しむって決めたから
きっと、やり直せる。
だって私はまだ一年生なんだもの。
女子生徒
な、なによそれ……!
音静チヅル
音静チヅル
あ、せんぱーい
急に現れた音静くんに、女子生徒が怯む。


なにせ優勝者だ。
みんなの視線が集まっている。
音静チヅル
音静チヅル
ちょっと耳、かしてください
女子生徒
……え?
ニコニコ笑いながら、音静くんは女の子に耳打ちする。
すると、女の子の顔が赤から青へと変わって──
女子生徒
……っ!
血相を変えて走っていく女の子を音静くんが笑顔で見送った。
栗原ミキ
栗原ミキ
何て言ったの?
音静チヅル
音静チヅル
んー、ちょっと「偶然、栗原先輩が階段から降ってくるところを見たんですけど」って
音静チヅル
音静チヅル
そう言っただけなんですけどね?
……黒い。

音静くんは女の子が私を突き飛ばしたとこ、見ていたらしい。
見ていないだろうと思っていた。


案外目が良いのかもしれない。
那津岡アカネ
那津岡アカネ
……降ってくるって、どういう……
アカネがいぶかしげに私たちを見つめている。
音静チヅル
音静チヅル
とりあえずあの先輩が先輩方に関わることは今後
一切ないと思いますよ
アカネの質問は丸無視し、音静くんが私に向き直る。
音静チヅル
音静チヅル
さて、先輩。ちょっと来てもらっていいですか?
んぇ?


忘れたとは言わせませんよ、と音静くんが微笑んだ。

途端、かっと顔が熱くなる。


──そうだ。

私、優勝者に『ご褒美』あげることになっていた。
音静チヅル
音静チヅル
ほら。それともここがいいんですか?
僕はここでも全然良いですけど
そんな。


こんなたくさんの人に注目されてなんてできない。
こんなにふんわりした優しい笑顔で何てことを言うんだ。
音静チヅル
音静チヅル
行きますよ、先輩
す、と手を引かれた。


──


茜色の空がよく見える。

校舎の空き教室。
遠くから笑い声が聞こえるけど、基本的に静かな雰囲気だ。


その教室で、二人っきり。
音静チヅル
音静チヅル
ほら、先輩はやくはやく
う、ううううう~っ、女は度胸!
自分を激励して、音静くんに向き直る。
心臓が早鐘を打つ。


そして、私は。











そっと。

静かに唇を離す。

本当に触れただけ、だけど。緊張した。





ドキドキしながら音静くんの顔を見ると、
とても切なそうな表情をしていた。



その表情のまま、口を開き。
音静チヅル
音静チヅル
先輩
音静チヅル
音静チヅル
僕、先輩が好きです