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第3話

黒い笑み
音静チヅル
音静チヅル
空から降ってきたので、天使かと思いましたぁ!
踏み潰したお詫びにジュースを奢り、公園のベンチでしばらく話をしていた。

音静チヅルくん。
中学三年生。
中高一貫だから珍しいことではないけど、
高校校舎に用があって階段を上っていたところを激突してしまったようだ。
栗原ミキ
栗原ミキ
天使だなんて、大袈裟よ……
怪我は本当にないの? 大丈夫?
同級生と違って、私と同じくらいの身長。
ほのぼのした雰囲気に癒される。
音静チヅル
音静チヅル
はいー
僕、これでも鍛えてるんですよっ
力こぶを作って見せるが、
なんだか頼りない筋肉がぽこっと出ただけだ。
栗原ミキ
栗原ミキ
でも頭とか打ったら後で判明するかもしれないから、
一応連絡先。それ以外にも何かあれば力になるわ
こういうのは後腐れがないほうが良い。


事務的に連絡先を渡すと、音静くんの顔が綻んだ。
音静チヅル
音静チヅル
ありがとうございます!
うわー、話題の先輩と連絡先交換しちゃった!
可愛らしく喜ぶ後輩。


んー、こんなのが部活生は毎日見られるのね。
ちょっと羨ましいかも。
でも、話題って……。


噂の広がり方が半端ない。
まさか中学までいってるとは。
栗原ミキ
栗原ミキ
そんなに噂になってるの?
音静チヅル
音静チヅル
知らないんですか?
入学されてからずっと言われてますよ!
栗原先輩っていうすごく美人な先輩がいるって!
美人な先輩……?
なるほど、さすがにアカネとどうたらという噂はまだ広まってないらしい。

じゃあこれはお世辞だろう。
栗原ミキ
栗原ミキ
お世辞は言わなくていいよ。
じゃあ、またね。気をつけて帰ってね
音静チヅル
音静チヅル
あ、送りますよ!
チヅルくんが立ち上がる。

んー、ありがたい申し出だけど。
栗原ミキ
栗原ミキ
大丈夫。すぐそこだから
音静チヅル
音静チヅル
はい!わかりました。
ではまた!
私はいつもより遅くなってしまった帰り道を歩き始める。
綺麗な夕焼けだ。



──振り返ることはなかったから、気づかなかった。








音静チヅル
音静チヅル
ふぅん?あれが噂の美少女先輩かぁ…
欲しいなぁ
先程の小動物のような雰囲気から一変。
黒い笑みを浮かべる後輩のことを。








──
那津岡アカネ
那津岡アカネ
ミキ
家の前で呼び止められる。

塀にもたれかかるようにして、アカネが待っていた。
栗原ミキ
栗原ミキ
アカネ…あんたねぇ!
私をあんな風に利用しないでよ!
栗原ミキ
栗原ミキ
目立ちたくないって、言ったでしょ!
幼馴染みだ。

一応大切には思っているし、こんなに目立つやつじゃなければ
もうちょっと仲良くしても良いと思っていた。


だけど、今日のあれは酷い。


いくらなんでも、謝辞のひとつくらいはあってもいいと思うんだ。
那津岡アカネ
那津岡アカネ
悪かった
素直に謝られると毒気を抜かれた。

私はこいつのせいで女子の妬みの標的にもなったわけだけど、
その全部がこいつの責任ってわけじゃない。



悪いのは突き飛ばした女子だし
ぼーっと階段を下りていた私も悪い。


もう少し危機感を持つべきだった。