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第15話

ミスターコン
守る、と決めていた。


小さい頃、格闘技が得意だというミキは、弱虫で生意気だ、と悪口を叩かれていたところに飛び込んできた。

「私の幼馴染みへの悪口は私への悪口と思うことにするから!」と意味のわからない理論を展開し、挙げ句クラスメイトに俺に謝罪させた。


俺にとってあのときからミキはヒーローで、……好きな人だ。

昔は守ってもらってばかりだった。


だから今度は俺が守る番なのだ。



自分の手のひらは予想よりも小さくて、全てから守りきることができないのがもどかしい。


先生
アピールタイムは一名不在のため、ここで──
那津岡アカネ
那津岡アカネ
待ったあああああああああ!
自分でも驚くほどの大声が出た。
隣のミキにそっと声をかける。
那津岡アカネ
那津岡アカネ
お前が……お姉さんのために、お前の青春を壊そうとしているのは見ていられない
お姉さんのために青春を壊すな
俺のために青春を楽しめ
栗原ミキ
栗原ミキ
んな、無茶苦茶な……っ
そもそも前提条件が、とかぐだぐだ言ってるミキの頬にそっと触れた。
那津岡アカネ
那津岡アカネ
滅茶苦茶な理論を掲げてばかりのお前が何を言ってんだよ
きっと。



きっと大丈夫だ。


ステージに上がる。
音静がほっとした顔をしている。



いっちょまえに俺のこと心配してんじゃねぇ。



……ミキが、いる。


じっと俺を見ている。


今この瞬間だけは。



俺だけを、見てくれている。



観客が、クラスメイトが、音静が、……ミキが。



俺に注目しているのだ。
練習はした。
頭に全部入っている。


そして俺は、




噛みつくように、マイクを握った。












──
先生
ミスターコン優勝は
中学三年、音静チヅル!






会場が割れんばかりの拍手に包まれる。



音静が笑っている。



ミキも笑っている。



走り回って息切れしていたし、衣装も綺麗になっていない。
挙げ句、女子を連れてきたんだから、俺をそういう目で見ていた人達からの票は得られないんだろう。


それに。


こちらを敵意の目で見てくる女子もいた。



覚えていないけど、俺に告白をしてきたやつ……な、気がする。
女子生徒
あなたのそんな顔が見られるなら、私も手を回した甲斐があったわ
でも、それでも1位と僅差で2位だものね
女子生徒
私に恥をかかせるからそういうことになるのよ
女子生徒
良いザマだわ
あはは、と高い声で笑い、女子生徒が俺に罵声を浴びせる。
女子生徒
もしも、そっちからお願いしてくるなら
付き合ってあげても──
栗原ミキ
栗原ミキ
ねぇ
はっ、と顔を上げた。


ミキの背中が見える。

また、だ。
ミキはこうやって、いつも俺を庇う。
栗原ミキ
栗原ミキ
私の大事な幼馴染みに、何か用?