第2話

Episode2
298
2023/10/02 05:02
あなたside―――

私は、誰が親なのか、どこで生まれたのか、
何も分からなかった―――。
そんなつまらない人生から抜け出せたのは、
あの人たちのおかげ―――。


オークションから2日後―――
ROWDY SHOGUN 本拠地―――

あなた

…………ん……。

カーテンの隙間から入る日差しに眩しさを感じ、
目を覚ました。初めて感じるふわふわとした
暖かみからまだ出たくない。しかし、昨日のあの男の
暴力により、体に激痛が走る。その痛みにどんどん意識が覚醒する。まだしょぼしょぼする目を開けてみると、そこはどこか建物だった。あの男の『檻』とは全然違う。所々壁にヒビは入っているが、暖かみを感じる
建物。
あなた

………ここ、どこ…

不思議と恐怖心はない。それは自分でも分からないが、何故か安心する。激痛に耐えながら、体を起こし、窓の外を眺めようとすると、不意に声をかけられた。
???
おい
あなた

……!?

声の方を見ると、優しい顔立ちだが眼光は狼のように
鋭い男が椅子に座って私を見ていた。
???
起きたか…。体調はどうだ?
あなた

え、あ、あの……

???
一応手当はした。
そう言われ自分の手足を見ると包帯で巻かれていた。
あなた

あ、ありがとう…ございます…

???
礼はいらない。弱き者を守るのが用心棒の役目だからな。
あなた

用心棒…?あの、あなたは……

ルプス≠川村壱馬
あぁ、俺はルプス。六本木の用心棒『ROWDY SHOGUN 』のメンバーだ。
赤色と黒色の装飾を身にまとった男は『ルプス』と
名乗った。あくびを押し殺しながら椅子から立ち上がり、メンバーに報告してくると言い部屋を出ていく。

私はそれを見送り、ふぅと息を吐き周りを見ると、
枕の周りにたくさんの『花』が落ちていた。
あなた

またたくさん……なんで泣いちゃうの…
我慢しなきゃ……

私は泣いたら目から涙ではなく『花』が出てくる。人々はそれをファイナル・ファクトと呼び、欲しがる。

私がこうして『ROWDY SHOGUN 』に
守られるまでは、昨日の男に飼われていた。
そして、毎日謎の集団のところへ連れられ、暴力、
薬などで私を強制的に泣かせて『花』を採取していた。私の『花』はなにか特別な力があるらしい。少しだけ
話しているところを盗み聞きしたけど、話している内容が難しすぎて分からなかった。
でも自分でもその力はわかっている。
私は周りに落ちている『花』を拾い、口に入れると、
体が淡く光って暖かくなり、傷が癒える。
あなた

この力、用心棒の皆さんにバレたら、
用心棒の皆さんも、欲しがるのかな…

なんて。
そう思いながら残りの花も食べていると、
ドアが開いた。ひょこっと顔をのぞかせてきたのは、
髪の毛が紫色の人だった。
???
調子はどうだい………えっ!?
何してるの!?
あなた

!?

私は驚き、勢いよく花を飲み込んでしまい、
噎せた。紫色の髪の毛の人は慌てながら
私の背中をさすってくれた。
あなた

ゲホッゲホッ あ、ありがとうございます…
えっと、あなたは……

グスク≠与那嶺瑠唯
大丈夫だよ〜。あ、俺はね。グスク。
俺も用心棒だよぉ。
よろしくねぇと穏やかな顔立ちで微笑んできた。
グスク≠与那嶺瑠唯
ところでさ、さっき何食べてたの?
あなた

あ、えっと、その、

私が言おうか言わないか迷っていると、
グスクさんは周りに一つだけ落ちていた花を
拾って、これ?と聞いてきたので、頷いた。
私はまたこの人たちも泣かせるのかと怯えて
いると、グスクさんは微笑み私の頭に手を置いた。
グスク≠与那嶺瑠唯
俺たちは弱き者は傷つけないさぁ。
じゃあ、みんなの所に行こうか。
そう言ってグスクさんは私の手を握り、1階に降りた。

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