〜黒尾side〜
黒尾「にしても珍しいな。研磨が初対面の奴とあんなに喋ってたなんて…」
研磨「……別に。翔陽のコミュ力がスゴいだけ。」
「そんなもんか〜?」と俺がつぶやくと「……クロだって、」とボソッと研磨の口から言葉が零れた。
研磨「あの子と仲良さげに話してたじゃん…」
黒尾「あー、アイツか。」
確か、白布あなたのあなたって言ってたな…
黒尾「何?研磨お前、あの子のこと気になんのw?」
いつも他人にフッかけるように、研磨にそう言うと、
研磨「……俺、あの子苦手。」
研磨は意外な言葉を口にした。
〜研磨side〜
…あの子と話すのには、凄い気疲れする。
深く話したこともないのに、何故かそんな予感がした。
元々敬語とか、ああいう堅苦しいのは苦手だし。
黒尾「そーか?俺は結構気に入ってるけど、あの子。」
……だからこそ、クロがそんな真面目な子と仲良さげなのが不思議でたまらなかった。
だってクロ、基本、学級委員とか正義感強い女子得意じゃなさそうだし。(微妙にクロの顔が歪んでる)
研磨「クロ、優等生とか苦手じゃん、」
黒尾「んー、そうなんだけど…普通に優しそうだし、クラスの委員長とかみたいに口うるさく無いし。」
研磨「初対面から口うるさかったら、嫌われるのくらい誰でも分かるよ。」
黒尾「確かになw」
クロは笑って話を結論づけると、「ちゃっちゃと戻ろーぜー」と気だるげに体を伸ばした。
……まぁ、もう会うことのない子なんだろうけど。
あ、でも翔陽と同級生ってことは________
……………。
最悪のパターンを頭に浮かべてしまい…、頭をリセットするためにフルフルとふった。
〜あなたのあなたside〜
真佳「で?お昼の男子とはどーなったの?」
2日目の夜。今日は何故かノートの整理をする間も与えられず、真佳たちに部屋に連行される始末…。
あなたのあなた「どーなったって…あ、ちゃんと探してた人は見つかったよ。」
まりん「そーじゃなくて!なんか、いい雰囲気とかなったかってこと!!」
真佳の言葉の続きを言うように、次にまりんが私にズイっと迫ってくる。
結「いい雰囲気って…一目惚れってこと笑?」
結が苦笑しながら尋ねると、まりんは「そーそー!」と力強く肯定した。
玲奈「確かに、あの人はイケメンの分類だわ。」
さすがのジャニオタ、玲奈は目線を鋭くしながら思い出したように独り言をつぶやく。
…まぁ、確かに一緒に孤爪さんを探してる時は、その見た目とか雰囲気ににカッコいいなぁ…とか、大人っぽいなぁ…と思ったりはしたけど……。
あなたのあなた「………特には、」
正直、好きとかそういう感情はよく分からないし…。
真佳「えぇ〜もったいない!」
結「あれかな。もう既に心に決めた人がいる、とか笑?」
まりん「ちょっ聞いてないぞっ!!」
勝手に盛り上がり始めるまりんたちに、
あなたのあなた「特にいないし、聞いてないとなにと、まだ何も言ってない」
と、冷静にツッコミを入れた。
咲希「…なら、昔は?あなたのあなたの初恋とか聞いてみたい笑」
突然咲希からリクエストが舞い込み、他のみんなも「いいじゃんそれ!」と次々に賛同する。
あなたのあなた「……初恋、かぁ」
思い当たる節といえば、…中1の時のあの2ヶ月間の出来事だ。
……けど、あれは。あの感情は、
自分でも恋なのか、友情なのか、検討がつかなくて。
………そのまま逃げてしまって、胸に閉じ込めておいた感情だ。
咲希「え…あるの!?」
私の沈黙と「……初恋、かぁ」の言葉に、咲希は予想以上に食いついた。
結「ちょっと、もったいぶってないで教えてよっ!」
あなたのあなた「……うん。」
みんな「……え?」
あなたのあなた「…あの、さ。……自分のことは自分しか分からないって当然だと思う。けど…、」
あなたのあなた「……ちょっと、聞いて欲しいの。」
私が2年間、目を逸らしてきたあの時の感情を。
……………………………!作者より!…………………………
今日はみんな大好き!及川さんのお誕生日!!
happy birthday!!!!!
そして、16年前作者の出産予定日…
予定通りなら、及川さんと同じ日に産まれられたのに…
なのちゃん🍯🥜、絶賛後悔中です。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。