第40話

ちゃんと笑えてたじゃん
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2021/07/13 09:13


…………………………!作者より!……………………………





注:この後本編あります!




この場をお借りして、皆さんに宣伝したい作品があります〜!







いつも見ているしずくさん(『向日葵みたいに笑う君は。』の作者様!)の最新作です!





うんもう、個人的にクロスオーバー作品大好き!



通知来た瞬間に開いたもん笑






みんなも良かったら見てね〜👍








それでは〜!本編へGo!!!!




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翌朝、学校に着くと1番に山口くんに声をかけられた。




山口「白布さん、昨日さ________」



あなたのあなた「本当にごめん…っ!さすがに踏むのはやりすぎたから。……反省してる」




私の落ち込みように余程驚いたのか、「あ、別に怒るつもりじゃなくて……」と山口くんもしどろもどろになった。




山口「あの後ツッキーとさ……、」



あなたのあなた「…?」






〜山口side〜



山口「……なんであの時白布さんに踏まれたんだろ…?」


月島「心当たり無い訳?」


山口「無いことも、ないけど……ほら、俺白布さんのお兄さんだって先輩たちに言おうとしたじゃ________」



俺がそう話していると、隣にいたツッキーがいつの間にか視界の横から消えていた。



慌てて立ち止まって振り返ると、数歩後ろにツッキーは立って、まっすぐに俺の目を見ていた。




月島「……それが嫌だったんじゃないの、」


山口「…ツッキーは、白布さんから何か聞いてるの…?」


月島「………別に。ただの勘」




そうボソッと吐き捨てるように言うと、スっと俺を抜かして先へと進む。




……やっぱり、ツッキーは俺の考えるよりももっと先を考えてるんだな、




山口「待ってよ、ツッキー!」






そこまで白布さんの気持ちを考えてなかった、自分の浅はかな思考に腹をたてながら、





……同時に、白布さんの気持ちを汲み取ってあげられるツッキーを、羨ましいと思ってしまった。
















〜あなたのあなたside〜



あなたのあなた「山口くん、どうかしたの……?」



急に黙り込んだ山口くんにそう尋ねると、我に返ったのか、ハッとしたような表情になると、



山口「いや、なんでもない…。ごめんね、引き留めちゃって」


そう言って笑って誤魔化した。



正直違和感はあったけど、あんまり深くまで追求するつもりもなかったし、「全然いいよ、」と言って私も自分の席に荷物を下ろす。








月島「……あのさ、」



机にうつ伏せ状態だった月島くんが、突然上半身を起こした。



あなたのあなた「あ、月島くん…おはよう、」



月島「……昨日さ」




あ、おはようはスルーですか、そうですか、


挨拶を無視されたことに、少々イラつきながら月島くんの言葉に耳を傾けると、






月島「ちゃんと笑えてたじゃん」










“ちゃんと”って言葉をわざわざ付けたのは、多分この前の月島くんの、



『作り物の笑い方ってこと。』



って発言があったからだ。






あの時以来、会話もままならなかったのに、今日突然そんな事を言われるのだから、私の頭の中は???でいっぱいだった。






月島「……マネージャー、やればいいのに」



あなたのあなた「へ?」





いやいやいや、ほんとにどうした月島くん。





私が顔全体で“意味不明”という表情をしていたのが伝わったのか、月島くんはめんどくさそうに「だから、」と言葉を続けた。




月島「……素で笑える場所、見つかったんじゃないの。」










……烏野は白鳥沢ほど強くない。




けど、チーム全体の仲の良さはスゴく良いと思う。






場を盛り上げてくれる先輩や、頼れる頼もしい先輩、優しく時にはイタズラっ子のような先輩、試合中になるとすごく頼りがいのある先輩、


明るくて太陽みたいな男の子、無口で何考えてるかあんまり掴めない男の子、控えめだけど何かと心配してくれるクラスメイト、




そして、目の前のこの人。





個性的なチームだと思うと同時に、このみんなの中で一緒に笑いあったり、悔しかっだりできたら、……どれだけいいんだろうなぁ。









…けど、もう関わらないって決めたから。



心から応援したいと思うのは、白鳥沢で、お兄ちゃんで、………烏野じゃない。







東峰先輩はきっともう大丈夫。後ろに頼もしいチームメイトがいてくれること、それの意味に気づけたから。






あなたのあなた「確かに、バレーはすごく好きだし、昨日は楽しかった。……けど、」




一旦そこで言葉を切ると、言おうか言わまいか悩んだ言葉を、吐き出す息と一緒に告げた。









あなたのあなた「……ごめん。もうコートには行かないから。」









月島くんの無言の反応が気まづくて、私はそっと教室から出た。












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