第55話

猫とのじゃれ合い
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2021/07/25 09:25


そして、合宿4日目は一日中バレー部の手伝いをして、最終日の5日目を迎えた。




今日の練習試合は烏野高校ではなく、少し離れた市民体育館で行われるらしい。



そのため、午前で調理部は活動終了となった。



真佳「あなたのあなたはどうするの?バレー部手伝いに行く?」


あなたのあなた「んー…まぁ、向こうの高校はマネージャーいなくて人手足りないらしいし、一応ね。」


結「頑張ってね〜!」


あなたのあなた「いや、頑張るのは選手だから笑」



そう騒ぐみんなと別れて、私は1人体育館へと向かう。




朝ご飯の片付けがあったため、選手たちとは同じ車に乗れなかったものの、市営のバスを経由し、遅れて到着する。





と、体育館の手前の茂みから、ニャーと1匹のかん高い鳴き声がした。



その鳴き声に引き寄せられるように近づくと、植木の下で丸くなっている1匹の猫。


大きさからしてもう子猫とは言えないけど、でもちょっとやせ細った首輪の無い猫で、




あなたのあなた「…………かわいいなぁ、」



思わずしゃがみこんで、その猫と目線の高さが同じくらいになるように、じっと様子を伺った。





猫は私と目が合うと、すがるように身をこすってきて、私の周りをくるっと回り出す。



何を思ったのか急に動きを止めると、その隙に私は猫の両脇を抱え、高い高いするように持ち上げた。



猫「ニャーっ」



その猫はほんとに大人しくて、こんなことをしてもされるがままで引っ掻いてもこない。緩みきった自分の頬に猫をスリスリと寄せると、猫の喉からゴロゴロ…と音がした。




あなたのあなた「もー、キミ可愛すぎるぞ〜っ」


離れたくなくなっちゃうじゃんっ、どーしてくれるんだ〜!? と頭をもふもふすると、自由気ままなその猫は、するりと私の腕を抜け出して、私の後ろの方へと一直線に進んでいく。





その猫の行き先に視線を向けると、見覚えのある赤いジャージに、ボブの金髪…



あなたのあなた「え……!?」




孤爪「………いい子。」



研磨さんは自分から寄ってきた猫を慣れた手つきで抱き上げ、自分のおでことスリスリさせる。





………ごめんなさい、男の子なのに可愛いと思ってしまって、大変失礼しました…





あなたのあなた「えーっと…、確か、研磨さん……ですよね?」


私は恐る恐るそう聞くと、「…うん、名前は合ってる。」とさっきよりもボソッとした声が聞こえてきた。



孤爪「……けど、誰だっけ。」


あなたのあなた「あ…この間ランニング中に日向くんと会った時、黒尾さんと一緒に________」



孤爪「あぁ………あの時の。」



研磨さんも思い出してくれたらしく、シワが寄っていた眉間がふっと緩んだ。


あなたのあなた「はい、……って、すみません名前馴れ馴れしく呼んじゃって…。もし宜しければお名前伺ってもいいですか?」



孤爪「…孤爪、研磨。音駒高校の2年………」



あなたのあなた「え、先輩…!?すみません、日向くんが呼び捨てでタメ口だったので、てっきり……」



慌てた私がそう弁解すると、孤爪さんは特に気にもしてない様子で、

孤爪「……別に、そうい堅苦しいの嫌だから。」


と、助け舟を出してくれる。



あなたのあなた「…なら良かったです、」


私がほっとして笑みをこぼしながらそう言うと、顔を少し曇らす孤爪さん。




孤爪「………敬語じゃなくていいから。」


あなたのあなた「え、でも…………」




無意識に出てくる敬語を直せるかな…と不安も抱えつつそう言いかけると、私が言い終わるのを待たずに、猫を地面に返してから無言で立ち去ろうとする。




あなたのあなた「あ、ちょっ………、わ、わかった!孤爪くん、……」


孤爪「………研磨、」


あなたのあなた「へ?」



なんだろ…?初めて会った時は、私と関わらないかのように距離を置いていたのに、今日の孤爪…いや、研磨くんはその時とまるで違う。



あなたのあなた「……うん。…研磨、くん……?」



疑問形になってしまった私の声に、「……うん」と言って、柔らかく微笑んだ……気がした。






……ごめんなさい。先輩なのに、やっぱり可愛いって思ってしまう私を許してください…、

















〜孤爪side〜



コートの準備中。重いものも運びたくないし、物がどこにあるかも分からないことを言い訳に外に出た。



外はむさ苦しい体育館内とちがって、清々しい風が吹いていて、俺の髪を少し乱暴に乱す。



孤爪「あ……、」



あの子……、この間クロといた________




あの堅苦しい子だ、と直感が働く。極力近づかないようにしようと思って背を向けたのと同時に、



あなたのあなた「もー、キミ可愛すぎるぞ〜っ」


そう独り言を言って、無邪気に猫とじゃれつくあの子の姿が目から離れなかった。






……ほんとに同一人物?ゲームみたいな多重人格とか?


そんな俺の考えをよそに、あの子は純粋な笑顔で猫に笑いかける。





………あの子、あんな顔できたんだ。






堅苦しいのは苦手で、極力他人とも関わりたくない…。



けど、普段見せないであろうあの子の無邪気な姿は、そんな俺の基盤となっているものを崩すほど、俺の心を揺さぶった。








あなたのあなた「…研磨、くん……?」



君の俺を呼ぶその声は、他の何よりもスっと馴染んで俺の耳を通っていって、




再び真面目になった君の化けの皮を剥いでみたくて、






……もっと、君の無邪気なところを見てたい。


……この純粋さを、他の誰にも知られたくない。俺だけが独占したい。







…ゲーム以外にこんなに興味が湧いたのは、初めてかもしれない。



























……………………………!作者より!…………………………






研磨くん、あなたのあなたちゃんにギャップ萌えしてしまいましたね〜( ̄∀ ̄)ニヤニヤ




逆にファンにギャップ萌えさせてるであろう、研磨くんをギャップ萌えで惚れさせてみたい、と思い立ったのがキッカケ笑









うん、ギャップって恐ろしい。皆さんもギャップでコロッと恋に落ちちゃうぐらいの恋、してくださいね。






え?作者は?って…、やだなぁもう〜(ノ∀`*)ノ))Å`)バシバシ


3次元にそんな恋ができないから、プリ小説にどっぷり浸かってるんですよ〜笑笑





うん、くれぐれもみんなは作者みたいにならないでね☆







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