第2話

クラスでの存在
15,131
2021/06/18 07:46
「ね〜、テストどーだった??」


「やばい…、受験終わって遊びまくってたから…」


「これ絶対、親に怒られる奴やん!!!」







クラスメイトの騒がしい声が、遠くに聞こえる。


それくらい私の意識は、このプリントに集中していた。







……大丈夫。いつも通りやれたはずだ。



私は、震える手でそっと2つ折りにされたプリントを開く。










『 新入生歓迎テスト 結果』

白布あなた

国語 94点

数学 96点

英語 93点

社会 97点

理科 95点





合計 475点 学年総合順位 3位







あなた「よ、良かった〜…。」



なんとか、上位キープ…!これなら、親に文句を言われることもないだろう。





モブ男「ウチのクラスのトップ、白布さんだって!」


モブ男「委員長すげ〜っ、ガチの優等生じゃん」


モブ男「ってか、こうして見ると…横顔めっちゃ美人だよなぁ。」


モブ男「おいっ!!抜け駆けすんなよっ‪💢」





山口 「ツッキー、テストどうだった??」


月島 「…まぁ、いいんじゃないの。」


山口 「ツッキーのその余裕、羨ましい!!」


月島 「うるさい、山口。早く帰るよ。」


山口 「あ!今日部活ないから、ツッキー寄りたい所あるって…」


月島 「ここで言わなくていいから。…ほら、さっさと行くよ。」



山口 「あ!待ってよ、ツッキー!!」




隣の席の、月島くん達の会話を横目に、私はスクバにテストを詰め込んで、ポケットから取り出したスマホのLINE画面を開く。







肉かぁ…、リクエストはありがたいけど、大雑把過ぎるんだよなぁ〜。確か、冷蔵庫に豚肉があったはず………。



そう思ってスマホで『豚肉レシピ』と、検索してると、




モブ女「ねぇ、白布さんってここの問題分かった?」



クラスの女子が話しかけてきた。






あなた「あ、ここね。私もココは迷ってたよー。これね、そのグラフが……(以下解説略)」




モブ女「あぁ!ようやく分かった!!ありがとう〜昨日家に帰っても全然分かんなくてさー」





あなた「また、聞きたいトコあったら、いつでもいいよ」



モブ女「いいのっ!?」


喜ぶその子に「うん」と言ってニッコリしていると、後ろから、右肩を軽く叩かれた。




モブ男「なら、俺も質問いい??」



あなた「いいよ。どの問題?」



モブ男「白布さんって彼氏とかいるの?」





その男子は、私をニヤニヤと見つめながら、聞いてきた。





そんなに、人の恋バナって知りたいもんなのかなぁ…?私には、ちょっと理解できないかも。





あなた「そういう話は、お答えしかねます。」




モブ男「え〜」




あなた「え〜、じゃない。質問ないなら帰るよ。」





モブ男「あるある!!この英語とこさ……」













結局、クラスの子達の質問攻めを断り切れずに、学校を出たのは1時間後だった…。

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