先生「じゃあ、次は問2な。この問題は……」
翌日の授業中。今日はIH予選の3日目、決勝戦。
お兄ちゃんたちならきっと大丈夫だろう…、と思いながらも、ぼーっと授業を受けていると、ふと隣の席の外を眺める月島くんが目に入った。
……昨日のこと、思い出してるのかな。
いや、でも月島くんは日向くんや影山くんほどバレーバカじゃないし…なんて思ってると、視線が私に向けられた。
やばっ、見てるのバレた。
そう思って慌ててノートを見るものの、既に手遅れだったらしく…頭をコンと叩かれた。
もう、なに…、と言いたげな顔を向けると、月島くんは自分のノートの隅をシャーペンでトントン叩いていて、
そこを見ると、『見られすぎて集中できなかったんですけど』という文字が走り書きされてた。
その言い方にムッとして、『そっちだって外ばっか見てたくせに』と書いて、軽く机の下の足を蹴る。
蹴るな、とでも言いたげな目で睨まれながら、月島くんは文字を見ると軽く無視した。
…ま、これ以上続く会話じゃないか。
そう思って黒板に再び視線を向けて問題を解いた。
と、今度は月島くんに足を蹴り返された。
さっきの仕返し…?と思いながら月島くんを見ると、さっきまでと同じで、知らんぷりするように外を眺めてて。
ノートを見ると、『後ろの人に見られてるけど』と書かれていて、思わず硬直した。
そんな様子を見た月島くんかクスクスと笑うから、こっちだってムッと腹が立つ。
ペンポーチからメモ帳を1枚破ると、『そっちからやり出したんじゃん』と書いて、私は自分の恥ずかしい想いをかき消すかのように、小さくしたメモを投げつけてやった。
先生「おい、そこ。問いは解けたのか?」
先生に怪しまれてそう聞かれると、月島くんは涼しい顔して「終わってますけど…」と答えていた。
…こっちは月島くんの相手してて、解けてないんですけど。
心の中で嫌味ったらしく呟くと、私は黒板に書かれていた問いを板書し、何とか先生の解説までに解き終えた。
はぁ……、何やってんだか。
お昼休み、詩織と莉音と3人でお弁当を食べながら、さっきの授業のことを思い出していた。
後ろの人、見てたよね…絶対。
まあ、女子じゃないだけ良かったけどさ。女子だったら、後々どんな噂になるかも分からないし…
莉音「ね、あなたのあなた聞いてるー?」
あなたのあなた「あ、ごめんごめん。ちょっと考えごとしてた」
「も〜!」とわざと頬を膨らませて怒る莉音に、「ごめんって、」と謝っていると、詩織がじっと私を見て一言。
詩織「…そういえばさ。あなたのあなた、授業中になんか月島くんとあったの?」
詩織のエスパー発言に、思わず飲み込もうとしていた卵焼きを喉に詰まらすと、「ゴホッゴホッ」とむせてしまった。
莉音「図星!?ってか、分かりやすすぎでしょ〜笑」
「莉音うるさいっ」と言うが、莉音は完全にスイッチ入っちゃったみたいで…
莉音「何なに?授業中に先生の目を盗んで、イチャコラしてたってのか!?リア充めぇぇ!」
あなたのあなた「まだ何も言ってないでしょ!」
「も〜」と言いながら、今度はプチトマトを口に運んでると、ピコンと電子音が鳴った。
詩織「ちょっ…あなたのあなた、切っとかないとマズイって!」
あなたのあなた「あぁ、お昼休みぐらいに連絡来るだろうなって思ってたから、大丈夫。」
焦る詩織をなだめながらLINEをこっそり開くと、お兄ちゃんから一言。
私はその言葉に1人で「…よしっ」と呟いてガッツポーズ。
莉音「お、スマホに夢中なあなたのあなたちゃんだ。」
詩織「誰とLINEしてるの?」
あなたのあなた「んー?お兄ちゃん、」
詩織・莉音「え、仲良すぎない?」
2人が口を揃えて同じこと言うから、「そっちの方が仲良いじゃん笑」と笑う。
あなたのあなた「今日、お兄ちゃんたちIHの決勝でさー」
莉音「結果報告?」
あなたのあなた「そ。見事全国出場だってさ、」
詩織「すごいじゃん!確か…白鳥沢だったよね?」
詩織、思い出したか…と少しヒヤッとするが、「あー、うんうん。そう」とあいづちを打っていると、
ピコン
再びLINEがきて、あれ…さっきので会話終わってなかったのかな、と思いながらスマホを開く。
________何かあったのかな?
だって、何にもなかったらこんな意味深なLINE送ってこないもんな…、
まぁでも、帰ってきてからでいいって送られてきてるしな、と思い、私もメッセージを送る。
今日はスーパーに寄って、しらす買い占めてくるかな、笑
……………………………!作者より!…………………………
皆さん!今日、8月19日はハイキューの日ですよ〜!
まぁ、だからって何かある訳じゃないんですけども、
この1ヶ月ほど続いている毎日更新ですが、夏休み明けたら、更新ペース今の1/2ぐらいになるかもですがご了承を🙏
皆さんのおかげで、お目目ちゃんがもうすぐで30000いきそうです!
♡も1300いってました!昨日めっちゃ♡押してくれた読者さん居て、通知来る度めっちゃ嬉しかったです笑 ありがとう!
というか、昨日は凄かった…通知の嵐だった……。
♡も一気に150ぐらい増えてたし、お目目ちゃんの数もえげつないぐらいに伸びてて、
夏休み効果恐るべし……。夏休みを甘く見てはいけない。
まだ夏休みは1週間とちょっとあるし、その間はせめて、更新ペースを維持できるように頑張ります!
ってことで、今後も『いい子って、大変なんだね……お兄ちゃん』をよろしくね〜!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!