月曜日。もう1週間連続でこの学校に来ている。
さすがに1日じゃ疲れは取り切れてないけど、中間テストも近いし…頑張るか。
莉音「あなたのあなた〜!!久しぶり〜!!」
あなたのあなた「久しぶりって程でもないじゃん笑!おはよー莉音、詩織。」
詩織「でも、5日間長かったねー」
あなたのあなた「2人ともGWは部活だったの?」
莉音「うん!他校と練習試合しまくりでさー…まぁ私たち1年は主にサポートだけど。」
詩織「ウチはみっちり練習ばっか。あ、途中でOGの方が差し入れでアイス持ってきてくれてさー」
莉音・あなたのあなた「いいなぁ〜」
詩織「へへ笑」
と、話していると先生が教室に入ってきて、「おーい、お前ら席つけーっ」と声を響かす。
私たちは「じゃ、後でね」と言って、それぞれの机に戻る。
先生「今日はHR早めに始めるぞー、文化祭の実行委員を決めなきゃだからなー」
‘’文化祭”というワードで既に教室は盛り上がっていた。
烏野高校の文化祭は、毎年6月の中旬頃に行われて、各クラスお店を出店し、売上高や投票でNO.1のクラスを決める。
先生「じゃ、委員長進めて。」
先生に呼ばれて席を立ち、教壇の所で教室を見渡す。
あなたのあなた「ざっと概要を説明すると、実行委員は1年は各クラス1人、2年は2人、3年は3人となっているため、うちのクラスからは1人が実行委員となってもらいます。
実行委員は、当日の進行だけでなく事前準備もあるため、主に昼休みや放課後を使って活動するそうです。何か質問等ありますか?」
私が説明を終えると、クラスはガヤガヤし出す。
……まぁ、そりゃそうだ。私もこの説明を聞くまで、各クラス男女1人ずつとかだと思ってたから。
上級生ばかりが集まる実行委員で、どんな仕事なのかもまだハッキリとしたいのに、やりたがる人なんて出てくるのかな…?
あなたのあなた「では、やりたい人がいたら、挙手をお願いします。」
と、その時だけ静まる教室。みんなも他の人の出方を伺っていたり、早く終われ…と心の中で思ってる人もいるだろう。
あなたのあなた「……いないですか…?」
少し口調を和らげて言うも、誰も反応なし。
………仕方ない。まぁ、元々裏方の仕事は好きだし、成績にも載るし。
あなたのあなた「……では、ウチのクラスの実行委員は私がやります。」
私の言葉にみんなが目を見開くのが伝わる。
あなたのあなた「先生、それでいいですよね?」
先生「え、まぁ…白布がそれでいいなら。」
あなたのあなた「了解です。他には何かありますか?」
先生「あ……それなら、実行委員は今日の昼休みに顔合わせだから、視聴覚室に集合だそうだ。」
あなたのあなた「分かりました。」
先生に「席に戻っていいぞ、」と言われ、さっさと席につく。先生は「実行委員に全部任せるんじゃないぞー!お店の件はまた別にプロジェクトリーダー決めるからなー!!」と言って、みんなも「はーい」と返事をする。
……誰もやりたがらなくて、進行が止まるくらいなら、私がやった方がいい。
自分からやりたいと思って実行委員になった訳じゃないが、いつも通りの展開にホッとする自分もいた。
あなたのあなた「じゃあごめん。視聴覚室行かないとだから。」
詩織「ううん。実行委員行ってらっしゃい笑」
莉音「イケメンな先輩と仲良くなるチャンスだよっ!」
ドヤ顔でグッと親指をたてる莉音に苦笑しながら教室を出て、時間に余裕をもって視聴覚室へ向かう。
多分、知らない人がほとんどだろう…。他クラスと関わりはあんまり無いし、先輩となんて尚更。
………まぁ、1人でいればいっか。
そんなことを考えながら廊下を進み、視聴覚室のドアの前へたどり着く。
ガチャっ
あなたのあなた「失礼します……」
会長「お、早い。1年生……だよね?」
中には生徒会らしき組織が集まっていて、「あ、早すぎましたか…?」と謝ると、「いや、逆にやる気があって助かるよ笑」と笑ってくれた。
会長「君、名前は?」
あなたのあなた「あ……、1年4組の白布あなたのあなたです。よろしくお願いします、」
会長「俺は生徒会長の橘快斗、よろしくな。」
会長をこんな近くで見るのは初めてだったからか、その爽やかな好青年ぶりに目を引いた。
と、そう言ってる内に続々と人が集まってくる。
2年「ヤバ!生徒会長いるじゃん!!」
2年「実行委員なって良かった〜笑」
どうやら、先輩たちの中では生徒会長以外の面でも有名人らしい……。
1年と3年だし、あんまり関わる機会もないだろうなと思ってると、ドアの開く音と共に「おー、結構もう集まってたかー」と聞き慣れた声がした。
2年「えっ、ウソ…!?あの先輩も実行委員!?」
2年「うわ〜今年メンバー神メンツすぎるっ!」
周りにいた1年生も「ね、あの先輩さ、前に乃亜が言ってた……」「え!?マジで!?」とヒソヒソと会話をしていた。
…………先輩って、こんなにモテてたんだ…。
ドアから目を背け、なるべく視界に入らないように部屋の後方の隅に座っていると________
??「あれ、白布さんも実行委員?」
私の座る机に手を置いて、前からそう話しかけられた。
あぁ……顔を上げなくても誰か分かってしまうし、周りからの視線を感じる…。
けど、この場で無視できる訳でもなくて、観念して顔を上げると、そこには優しげな笑顔。
菅原「一緒に頑張ろうな!」
…………関わらないって決めてたのに、
……………………………!作者より!…………………………
はーい!ここでおひとつ宣伝入りまーす!!
私の大好きな沙羽の小説!
メインは澤村さんですが、私は縁下さんも好きだなぁ…
元々、アニメの和久南戦で縁下さんが言う名言、
縁下「日向ー!バタバタしない!いいジャンプはー?」
日向「いい助走から!」
っていうシーンがスゴく好きで…
そこで縁下さんの魅力に目覚めましたね。はい。
ってことで、澤村さん好きな人だけじゃなくて、縁下さんに少しでも興味持ってる人!
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!