莉音「お弁当だ〜!歩き回って、もうクタクタだよっ」
ここは、キャンプ場から少し離れた広場。お昼ご飯はここで食べると決まっていたため、オリエンテーリングは一旦停戦し、班員の6人でお弁当を食べていた。
詩織「今日のあなたのあなたのお弁当はどんなかな〜笑?」
あなたのあなた「別に、そんな豪華なもの入ってないよ笑」
よくみんなは「お弁当何入ってるかな〜」とか、「げっ!昨日の残りぶち込んできやがった💢」とか言ってるけど……自分で作るとそういう“お楽しみ感’’ってないんだよね。
ま、その分自分が食べたいもの入れてけるけど、
パカッ
詩織「おおぉ!キレ〜っ✨」
いつもお弁当を作る上で、彩りと、特に栄養バランスだけは気を使っていた。お兄ちゃんが「お前の弁当ダサっ」とか、言われないように。
山口「え、これをいつも作ってるの!?」
あなたのあなた「うん、中学の時からだから、もう慣れたけど。」
前園「めっちゃ美味そう…」
莉音「も〜、家庭的な女の子可愛すぎっ!!さっきも日向くんだっけ?に、手当する手際の良さっ!!」
「嫁にちょうだい〜」って騒ぐ莉音を「いや、莉音行く側だから笑」と笑って返していると、
モブ子①「あ、ねぇ!私たちもそこにお邪魔してもいいかなぁ?」
4人の女子が、私たちの班に近づいてきた。
同じクラスの人…じゃなさそう。って、え??
あの人たちって…………
モブ子①「月島くんっ…隣いい??」
4人の内、1人は月島くんの方へ、そして、他の1人は、私の元に近づくと、肩に手を置いて耳元でニヤっと笑った。
モブ子②「……うちらの邪魔したら、どうなるかぐらい、分かるよね?…優等生ちゃん。」
……出発前の、あの集団かぁ。
はい、絶対にややこしくなる案件、決定。
〜月島side〜
モブ子③「ちょっと💢 月島くんの隣はあたし!!」
モブ子④「こんなとこでモメて、どーすんの。いいから、抑えて!ドゥドゥ」
……面倒くさい
あの4人がこっちに来た時点で、なんか嫌な感じがした。…こういう女子って、しつこいし、うるさいし、相手にしたくないのが本音。
なのに、
あなたのあなた「でも、一応班ごとお昼は食べるって決まってるから…、多分だけど、みんな班と別行動してるんでしょ?早く戻った方がいいと思うけど。」
モブ子②「はぁ?4人一緒の班ですけど??」
モブ子①「ってか、ホントはそんな決まりなんて、無いんじゃないの、あんたが月島くんと一緒に居たいだけでさぁ。」
莉音「っあなたのあなた……!」
詩織「あなたのあなた、莉音………?」
白布さんは、あの人らに腕を掴まれると、西尾さん(莉音の苗字)は慌てたような、神谷さん(詩織の苗字)は心配そうな、そんな表情で白布さんを見つめていた。
あなたのあなた「……分かった、私は忠告はしといたからね。」
………は?
キミ、絶対僕のことあの人らに売ったでしょ。今。
モブ子①「フフっ、じゃあ、月島くん!こっちで食べようよぉ〜」
白布さんの返事に満足したのか、雑に白布さんの腕を払うと、小走りでコッチに来た。
山口「ツッキー!」
月島「…うるさい、山口」
もう、こうなったらガン無視だ。この人らをスルーするに限る。
……白布さんの行動、
僕が『いい顔したいだけ』とか、『関係ないし』とか言ったから、その腹いせのつもり?
ふぅーん……真面目な委員長にしては、ちょっと意外じゃん。
いい子なんて、必死に気に入られようとして、
なんか、ちょっと腹立つし。
なんでそんなにチヤホヤされたいかなぁ、
ま、いいや。八方美人がどれだけ面倒くさくて、見てるコッチがイライラしてくるってこと、ちょうど良い機会だから、分からせてやろ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。