第91話

後輩
3,566
2021/08/21 23:39






物音の無い静かな空間で、時間が止まったように錯覚する。





でも、徐々に近づいてくる先輩の瞳が、時間が今も尚流れていることを告げている。









思わず目をぎゅっとつぶると、数秒間…いや、体感ではもっと長い時間が経った後________










あなたのあなた「痛っ……」






おでこにデコピンされる感覚があって、弾かれた所を手で押さえながら、顔を上げる。





菅原「……なーんてな。」




そう言って笑う先輩は、いつもの柔らかな笑みを浮かべると、そっと顔を離した。






菅原「白布さん、そこは目つぶっちゃダメ。他の男だったら、何されてるか分かんないよ?」



「ま、手出されないように俺も一緒に回るんだけどさ。」と菅原先輩は言葉を続ける。







なんだ…。巡回に行く前に男子に絡まれないよう、警告してくれるためにこんなことをしたのか……





そう考えると肩の力が一気に抜けて、私は「…はい」と小さな声で返した。












ピーンポーンパーンポーン…




放送「文化祭実行委員からのお知らせです。ただいまから11時30分から1時30分の、スタンプラリー第2部が始まります。
見つけるペアは全部で3つ。1つ目はアナとエルサのペア、2つ目は逃○中のハンターペア、3つ目はアリスと白うさぎのペアです。ぜひコンプリートしてみてください!」










放送が終わると、どちらからともなく視線を合わせる。





菅原「じゃあ、行くか。」


あなたのあなた「はい!」





そうして、私たちは人の賑わう声の方へと向かった。























女子「すみません〜!スタンプ押してもらってもいいですか〜?」



菅原「はい、お!これであと1つじゃん!頑張ってね笑」


女子「あ、ありがとうございます…///」


女子「やばっ!菅原先輩のうさ耳とか…///」


女子「写真撮ってもいいですか!?」



グイグイ迫る2年生の先輩に、菅原先輩は「いいよ」と優しく言う。






……こういう所なんだよなぁ。先輩、及川さんとは違って、素で優しいから。





女子たちは満足したのか「ありがとうございましたぁ!」とキャッキャと去っていった。




あなたのあなた「なんか…先輩に仕事させちゃって、すみません。」


菅原「全然いいよ笑 ってか俺は、コスプレしてもなんかバレてるし…」


あなたのあなた「先輩、モテモテですもんね笑」




笑いながらそう言うと、「いや、俺なんかより白布さんの方がモテてるでしょ〜?」と言われるから。






……え。先輩、モテてるって無自覚……?






そんなことを1人考えていると、









田中「あれ…、スガさんっすか!?」



すれ違った人混みの中に田中先輩がいて、向こうの方から菅原先輩に気づいたのか、声をかけた。




菅原「お〜、田中。ビラ配りか?」


田中「いや、…なんか西谷のクラスの宣伝の手伝いやらされてます。」


そう話していると、近くにいた人にビラを配り終わった西谷先輩も、こっちに近づいてきた。



西谷「スガさん、ちわーっす!」


菅原「おう、西谷も元気だな〜笑」



完全に私置いてけぼりで、…え、もしかして私って気づかれてない…?と1人悶々と考えていると、




菅原「ところで…田中、西谷。この子誰だか分かる?」



菅原先輩が、私の両肩にポンと手を置きながら聞いた。





西谷「………あ、!え、…白布さん!?」


田中「!ほんとだ!白布さんじゃんか!!」



あなたのあなた「あ…、えっと…お久しぶり(?)です」



何て言ったら分からなくて、とりあえずそう挨拶すると、2人は何故か目を輝かせていた。




田中「えぇ〜!全然気づかなかった!すげぇぜ…さすがノヤっさん!」


西谷「へへっ…まーな。」




得意げに鼻を擦る西谷と、煽てる田中先輩に、私はポロッと言葉が零れてしまう。





あなたのあなた「…やっぱり、こういう可愛い感じのジャンルの服、私じゃこの格好似合わないですかね……?」






2人の反応や、今までスタンプを押してきた1年生の反応で、自分だと気づかれなかったことにショックを重ねていた私は、2人にそう尋ねた。






…普段から真面目なイメージの私が、こんな可愛らしいコスプレしたところで________








田中「何言ってんだ!いつもの白布さんは…その…、“清楚”って感じだろ?でも、今は“女子”!っていうか…可愛らしいって感じなんじゃないか?」



西谷「確かに!普段より“女子”って感じだよな!」




2人がストレートに褒めてくれて、私は思わず口を開けてポカーンと呆然としていた。






菅原「お前らが照れずに女子を褒めるなんて、珍しいな。」



菅原先輩も驚いたようにそう言うと、田中先輩は「だって、白布さんは俺たちの後輩ですから!」とドヤ顔で言い放つ。





……後輩、?








西谷「龍の言う通りだぜ!清子さんの仕事手伝ってくれたり、大会だって見に来てくれたり…。バレー部助けてもらってばっかだし!笑」






菅原先輩も隣で笑いながら「確かにな、」と呟く。








田中「後輩なんだから、なんかに困ったら“先輩”を頼ること!…いいな?」




力強い言葉と頼もしい笑みに押され、思わず「はい…っ」と答えてしまった。





























……………………………!作者より!…………………………









田中さんとノヤっさんの頼もしさよ……✨





2人って、思ってることしか言わないから、そのまっすぐな言葉が嬉しいよね〜☺️














はい!今日は作者が夏休み期間にハマっていた、除光液を使った転写の方法について、リクエストがあったのでご紹介させていただきます!

















左が、コンビニのプリンターで画像を印刷したもの。右が紙に転写したもの。(私は光沢紙を使用。ファミマのコピー機にあるよ)



『画像 転写 除光液』とか調べると、プラ板に転写するやり方とか、よく出てくるからそれを参考にするのもアリ👍









まず、コピーした画像と台紙を重ねて、
















クリアファイルの中に挟んで、



画像が印刷された方を上にして、そこへ除光液をかける。












あとは、ファイルで挟んで上から指で擦りつける。


指が摩擦で痛くなるぐらいやろう😊(←鬼)





1回ファイルから取り出して、完全に剥がしきらない程度に画像と台紙を剥がし、転写の具合を見る。


↓こんな感じ















色が薄い部分はよく擦らないと転写しないから、要注意!逆に色が濃い部分は簡単に転写できるよ!








しばらく放置して乾かす。その後、再度除光液をかけてファイルの上から擦り付ける。





で、いい感じに転写できた頃だな〜と思ったら、素早くファイルから取り出して、素早く丁寧に重なった画像の紙と台紙を剥がす


↑ゆっくりだったり、雑に剥がすと、綺麗に剥がしきれないから注意してね!







もちろん最初から上手くいかないし、私も作った分の1/3は失敗作だけど、慣れが重要だから、諦めずに作ってみてね!











↓失敗作(左がコピーした画像、右が転写した光沢紙)












真ん中のとか、もうビリビリになって、上手く剥がせなかった……😱













↓自信作












ちなみに、私は真ん中の右側の白布さんのカードをスマホのクリアケースに挟んで、常に推しとともにあります。









みんなもぜひ作ってみてね〜👋








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