…………………………!作者より!……………………………
すみません…( ̄▽ ̄;)
前回の話で、タイトルから分かったと思いますが、本文の中でハッキリと『文化祭』と言ってませんでした…m(_ _)m
訂正したので、気になる方は見返してください。
それでは、引き続き文化祭をお楽しみくださいっ!
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あなたのあなた「失礼します…」
生徒会室のドアを開けて、足を踏み入れる前にそう言うと、ちょうど橘先輩が気づいてくださった。
橘「あ、白布さん。お疲れ様」
あなたのあなた「先輩の方がお疲れ様ですよ…笑」
室内には他にも数人の実行委員がいて、おそらく私と同じ時間に巡回する担当の先輩なんだろうな…と思いながら、ペコッと頭を下げる。
あなたのあなた「すみません…。この間の衣装選びの時、途中で離脱してしまって……」
橘先輩に再度謝ると、「いや、菅原が案外すんなり決めてくれてたし、平気だよ。」と言ってくれた。
あなたのあなた「あの、お詫びといいますか。差し入れも兼ねて、これ良かったら…」
遠慮がちに差し出したのは、ウチのクラスのフルーツ飴の詰め合わせ。
女子「おおっ…美味しそう!」
女子「そっか、白布さんって1-4か!…実は行こうと狙ってたんだよね〜笑ラッキー!」
女子の先輩たちのテンションが一気に上がり、「喜んでもらえて良かったです。」と私も笑顔になる。
ガチャ
菅原「おお〜!なんか美味しそうなのあるべ、」
菅原先輩が目をキラキラさせて、フルーツ飴に一直線になって、室内に入ってきた。
あなたのあなた「これ、ウチのクラスのフルーツ飴で。…この前ご迷惑かけたお詫びも兼ねて…」
菅原「あぁ、あんなの全然迷惑なんかじゃないよ。」
ニッコリ笑いながらそう言ってくれるので、私もホッとしていると、すかさず菅原先輩の手が飴に引き寄せられる。
橘「コラ、菅原。お前は着替えなくちゃなんないだろ。この奥の部屋で先に衣装着てこい。」
会長らしくピシッと言うと、菅原先輩は「はーい…」と言葉とは反対に不満ダダ漏れの様子で、そう返事をした。
そんな先輩にクスッと笑みがこぼれると、橘先輩は私にも「白布さんも、隣の更衣室使って着替えていいよ」とダンボールを渡しながらそう言った。
女子「着替えたらこっちおいでね。軽くメイクするから!」
得意げにアイシャドウパレットを掲げる先輩に「よろしくお願いします!」と言って、私は生徒会室を一旦出た。
隣の更衣室に入ると、今までの巡回の人たちが使ったためだろう…、いつもは無い全身が映る大きな鏡が奥にあった。
その手前の机にダンボールを置いて、中を開こうとする。
……菅原先輩が選んでくれたコスプレってなんだろ…。
ワクワク感と、ほんのちょっとの不安を抱え(ちょっとだけだよ!?)、ダンボールを一気に開くと________
あなたのあなた「え……、」
〜菅原side〜
菅原「着替えたよー。」
部屋から出てそう言うと、1度お店で行った時に見られたはずなのに、再び笑う橘をはじめとした数人の3年たち。
橘「…菅原、よく自分からそれ着ようと思ったな。」
菅原「ディスってんの?」
笑いながらそうツッコミを入れると、2年の子からは「先輩、似合ってますよ!」とサポートを入れてくれる。
菅原「ほら!別に痛くはないじゃん!」
橘「……後輩に気を遣わせてどうすんだよ。」
橘に呆れられながらも、俺がそんな格好をしているのは、理由がある。
この巡回は、2人1組のペアで一緒に行動するから、せっかく白布さんと回るなら、同じテーマにしようと思ったから。
ま、要は自分のコスプレよりも、白布さんのコスプレの方がお目当てってことなんだけど……。
ガラッ
そう考えていると、後ろでドアが開く音がして、と同時に女子の「可愛い〜!似合ってるよ!」という弾んだ声が響いた。
俺もくるっと後ろを振り返ると、そこには________
あなたのあなた「へ、変ですよね……?」
俯いて顔は見えないが、耳は赤くなっていて。
ふわっと広がったAラインの水色のワンピースに、上から白いエプロンを着て、頭には女の子らしいリボンの付いたカチューシャを着けていた。
……やば。想像以上に可愛いんだけど。
ニヤけてるであろう口元を片手で隠すと、隣の橘に頭をコンと1発叩かれた。
顔を上げた白布さんは俺と目が合うと、驚いたように目をパチクリとさせる。
菅原「俺が不思議の国までご案内しましょうか?アリス。」
笑みを浮かべて白布さんに近づき、彼女の手を取った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。