第111話

自己嫌悪
3,102
2021/09/18 09:28



その夜は、ベットに入っても全然寝られなかった。




バレー部のためと言いながらも、みんなを傷つけてしまったんじゃないかとか、今更ながらにやっぱり嫌われたくない…と怖くなったり。





それほどに、私の中で烏野バレー部が大きな存在だったことを、失ってから痛感した。






もっとみんなが傷つかずに納得できる言い方もあったかもしれないのに…。



あんな言い方しかできない自分自身に嫌気がさし、そんな自己嫌悪に一晩中私は襲われていた。


















翌日。いつもより遅く家を出た私は、第二体育館を避けて校舎へ向かい、教室へと入る。





ガラッ





一斉にみんなの視線が私に集まると、喋り声がピタッと止んでみんなの動きが固くなった。



そんな視線を浴びながら私は自分の席に着くと、座って勉強道具を広げる。





平然とした私の様子に、「え、まだ仲直りしてないんでしょ…、」「何あれ。こっちは1人でも平気です。って言いたい訳?」とヒソヒソと話し声が聞こえてくる。



…いや、わざと聞こえるように言ってるんだな、と察し無視すると決め込むと、そのまま勉強を続けた。








そのグループから少し離れた教室の奥に、莉音は詩織と身を寄せて私を見ていた。



目が合うと、莉音はスっと視線を逸らし、詩織に「…トイレ行ってくる」と低いトーンで言い残していく。







……やっぱり、莉音と仲直り出来ないのかな…。






退部、莉音との喧嘩、昼休みの屋上での出来事、そして今朝のコレ…



考えなきゃ行けない悩み事を、一旦頭の片隅に寄せる。







心做しか、考え事が多すぎるせいで頭が沸騰するようにぼーっと熱くなっていく気がした。





















先生「この英文法は、関係代名詞whatが使われているから、この意味は…」





授業中も、冴えない頭で黒板を見つめていた。



やっぱり、ちゃんと睡眠とってなかったからか…と後悔しながらも、不思議と眠気は無くて。





それでも頭が回転してないのは同じことで、先生はいつもより集中力に欠けた私と目が合うと、チョークを向けた。




先生「なんだ珍しいな。白布、ぼーっとしてるぞ。」


あなたのあなた「…すみません、」



先生「ほら、眠気覚ましにこの問題解いてみろ。先週やったとこだから、お前なら楽勝だろ?」




そう言って黒板前に来るように、先生は私を促した。



ずっと座りっぱなしよりかは、幾分冴えてくるかも…と思い、私は立ち上がる。





そして1歩黒板の方へと足を踏み出した瞬間、視界がグラッと揺れた。







ガタッ





しゃがみ込んだ私は、思わず傍にあった机に寄りかかってしまい、静かな教室に机の音が派手に響く。



瞬間騒がしくなる周囲の声に、頭が余計にクラクラしてきたと思えば、だんだんざわめきが遠ざかっていく気がした…

























重い瞼を開けると、白い清潔な天井が視界いっぱいに入ってきた。



見慣れないその光景に不安を覚え、そっと起き上がるとカーテンで仕切られたベットに寝ていたことに気づいた。





少し遠くから、女子の賑やかな話し声や男子の騒がしい笑い声が聞こえて、昼休み頃かな…とぼんやりと考える。





静かにカーテンを開けると、机に座っていた保健室の先生とパッチリと目が合った。



先生「あ、急に起き上がらない方がいいわよ。まだ横になってていいから…」




優しい声を向けられ、私は肩の力が抜けた。




あなたのあなた「…すみません、ご迷惑をおかけして。」


そう謝ると、先生は驚いたように目をパチクリさせてから少し笑って「迷惑をかけて甘えられるのが保健室でしょ?」といたずらっ子っぽく笑った。



そんな少女のような先生に、思わず気が緩んでしまう。





先生「どうする?もう昼休みだけど…荷物は一式ここに運んできてもらったからあるけど。」


あなたのあなた「…すみません、食欲ないのでいらないです。」



胃は空のままで気持ち悪いけど、朝から何も食べる気がしなくて、倒れて起きたばかりの今もそれは同じだった。





「そう…」と納得しながらも、心配そうな目線を向けられ、私も対応に困っていると、






コンコンっ




2人きりの保健室に、控えめなノック音が響いた。





先生「どうぞー」



先生の明るい声の後、「失礼します」と扉を挟んで聞こえてくる声に、私は聞き覚えがあった。







ガラッ








あなたのあなた「……月島くん、?」






私と視線を合わせると、彼も僅かに目を見開いた。




























……………………………!作者より!…………………………













いつの間にか、デイリーランキングの分母が(すべて)に変わっていました……!!




この作品を読み続けてくださり、ありがとうございます😭








毎度言っていることで、もう聞き飽きて耳にタコ🐙どころかイカ🦑状態(?)かと思いますが、




それだけ皆さんには感謝してもしきれないです…!










前回の話でも報告していた通り、今週末は思いがけず作者にもシルバーウィークがやって来ました✨



ということで、
出来れば来週もデイリーランキングに乗って順位を上げる!

もっと多くの人に『いい子って…』を読んでもらう!

どんどんなのちゃん🍯🥜の勢力範囲拡大!



という企みを密かにしているので😏(公表してる時点で既に“密か”じゃない笑)







皆さんも♡と☆ポチッと気軽に押して、作者の薄汚い作戦に御協力お願い致します🙏









いや、でもほんとに♡とか☆着くほどに作者のテンション上がるから、調子乗っていっぱい書き溜めると思うよ笑





続きが気になる皆さん!ぜひポチッと!よろしくね〜笑

























一緒に自分の作品も宣伝しちゃいます…!笑


なのちゃん🍯🥜のサブ作品(って言い方でいいのかな?)です!





最近投稿頻度が戻って来ました!




呪術ちょっとしか知らないって人でも大丈夫!作者も同じ、アニメ以降の展開知らないので😅








まだ読んでない人に向けて、ちょこっとだけ宣伝!




・他のマネージャーからのいじめ✖

・ぶりっ子✖

・逆ハー✖(だと作者は思ってる)

・メインは恋愛!あんまり戦闘シーンは出てこない…




断言できるのは、『いい子って…』よりも恋愛が進んでること!『いい子って…』の方は登場キャラ多いし、シリアス系だから話が長いんだよね…😅





まだ完結はしてないけど、物語の中間地点は超えたし、100話いかずに完結する予定なので読みやすいかと!





重要キャラ(いわばオチ候補ですね笑)は、

青城)国見ちゃん、及川さん

呪術)伏黒恵、狗巻棘


です!





良ければポチッと押して、読んでみてね〜😆















プリ小説オーディオドラマ