康.「あなた〜、先輩帰るって」
私.「ん、先輩……」
あのままいつの間にか眠ってしまっていたらしい。
先輩が帰るからと康二たちが起こしてくれた。
辰.「はぁいお大事に。待ってるね」
私.「ありがとうございます……」
蓮は居る。けど何も発してはくれない。
先輩を見送って、再びベッドに戻る。
康.「あれ、熱下がっとるなぁ、やっぱり先輩効果かなぁ」
康二たちに促され、体温を測るとさっきよりも少しだけ下がっていた。
なんでだろう。やっぱり先輩が居てくれたからなのかな。
私.「みんなわざわざ来てくれてありがとう。みんな体調には気を付けてね」
ラ.「寝込まないといけない人に言われたくありません笑 寝ててくださーい」
そう言ってみんなは帰っていく。
蓮の背中は、少しだけ寂しそうに見えて。
私.「…蓮……」
蓮.「ん?」
蓮は私のことを好きだと言っていた。
深澤先輩に。
彼は今、何を考えているのだろうか。
私.「…ううん。何でもない」
蓮.「ん。そっか。お大事に」
3人が見えなくなるまで見送る。
さっきまで騒がしかったのに、急に寂しくなっちゃたな。
夢.「体調良くなってよかったよー! お見舞い行きたかったんだけど、、」
私.「夢花家遠いもん。大変だよ」
先輩が来てくれてから数日後、
ゆっくりしていたからか、先輩の効果か。
とにかく体調はもうすっかり良くなった。
学校に行くとすぐに夢花に心配されたり……。
ただひとつ心配なのは。
夢.「…深澤先輩、なんかあったの?」
私.「…やっぱり元気ないよね」
夢.「うん。分かりやすすぎるね」
……やっぱり、あれのせいなのかな。
夢.「ねぇあなたさ…それ何となく分かってる感じだよね」
私.「うん、多分…」
夢花に話すべきかと迷ったが、
人の気持ちをいきなりバラしてしまうのもよくないし、
もしかしたら私の勘違いかもしれないし。
夢.「……まあ無理には聞かないけどさ。なんか困ったら言って。」
私.「うん、ありがとう夢花」
私にどうにかできる問題じゃないのは分かってる。
でも、先輩と蓮がずっとこのままきまずい雰囲気になるのは嫌だ。
……私が大体、こういう時に相談するのはいつも決まってる。
私.「もしもし、ごめんね急に」
康.『別に大丈夫やで。どしたん、また先輩のこと?』
私.「ううん、違うの。」
「私の勘違いかもしれないんだけど」
康.『なんや、言うてみ。』
私.「蓮の、好きな人って……もしかして、私、?」
康.『……何言うてんねんいきなり』
私.「っていうか、この間聞いちゃったの。」
「蓮が先輩に話してるところ、」
康.『そっかぁ……、』
康二は諦めたようにため息を吐くと、少しだけ蓮のことについて話してくれた。
康.『蓮な、この前先輩にそーやって言ったこと、結構反省してたで』
私.「反省?」
康.『うん。蓮も蓮なりに考えて言ったのかもしらん。蓮の気持ちは蓮にしか分からんけどな』
『……まあ、蓮は多分もう諦めてるから大丈夫や』
私.「そっか……、」
康.『あなたは気にせんでええよ。蓮は強い。大丈夫やきっと。』
康二が言うならきっと大丈夫か。
なぜか康二の言葉には安心することが出来る。
私.「うん、ありがとう康二」
康.『はーい、どういたしまして』
蓮が大丈夫なら、私のやることは決まっている。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。