ご馳走様でしたと二人で手を合わせる。
なんだか遠足みたいだねと言って二人で笑う。
辰.「海で遊んだの久々だわー、」
私.「私もです、楽しかったです」
さっきと同じように隣り合わせになるように座る。
辰.「どうここ、凄いでしょ」
私.「はい。久しぶりに来ましたね」
辰.「どーする?何時に帰る?」
「同じ学校の人とあったら気まずいもんな」
そうだった。すっかり忘れてた。
学校をサボったんだった。
辰.「まー逆方向だから誰とも会わないだろうけどね」
なんだか、
私.「帰りたくないなぁ、」
ため息と共に小さく漏らした。
それを聞いた先輩はそうだねと小さく笑う。
そこからはなぜかどっちも言葉を発することはなく。
ただ静かに海を眺めた。
私.「あの…先輩。」
辰.「んー?」
私.「…先輩は、今どうして」
「そんなに泣きそうな顔してるんですか、?」
先輩にそう問いかけると、先輩はしばらく黙った後にゆっくりと口を開けた。
辰.「……なんでもないよ。ただ、しんみりしちゃってただけ。」
無理矢理作ったであろう笑顔を向けて、立ち上がった。
辰.「帰ろう。暗くなってきたからね。」
私.「……はい。」
私は、これ以上踏み込むべきではない。
波の音がそう言っているような気がして。
そこから約2週間、深澤先輩は学校を休んだ。
夢.「…あなた、大丈夫?」
私.「うん……」
夢.「………」
私.「…うそ。大丈夫じゃないかも」
夢.「うん、だよね」
先輩がいない学校は、ものすごく苦しかった。寂しかった。
いちばんは「 会いたい 」の感情が大きかった。
先輩はきっと何か悩んでいるのだろう。
私が分からないのなら、誰かに聞くべきかもしれない。
そう思って、私は夢花と3年生のフロアへ向かった。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!