私.『先輩、お家行ってもいいですか』
ダメ元でメールを送る。
それに返信が来たのは数十分後だった。
辰.『今から? 危ないから俺が行くよ』
私.『いや、行かせてください』
辰.『んー、わかった、気を付けておいでね』
私は私にできることをしたい。
蓮の気持ちには応える事ができないけど、私は先輩が好きだから。
その事実を、ちゃんと私から説明したい。
インターホンを押す。
待っててと言われて待っているとすぐに先輩が出て来てくれる。
辰.「あなた…! どうしたの、」
私.「ごめんなさい、あの、」
「この前、ありがとうございました」
辰.「この前? あぁ、お見舞いね。どーいたしまして」
先輩は優しく微笑むと、自分できていた上着をわざわざ私にかけてくれた。
私.「それと、あの」
「…そのとき、蓮が言ってたこと、覚えてますよね、?」
先輩の表情が一瞬曇る。
でもその後すぐに、笑顔を作ったのが分かった。
辰.「あーーー、起きてた感じ、?」
私.「…はい、ごめんなさい、」
辰.「んや、全然いーのよ。」
「ただ俺もさ、今まで色々かっこ悪いとこ見せちゃったし、反省はしてたんだよね」
先輩はいつものように優しく私の頭を撫でた。
辰.「あの子…蓮くんだっけ? すっげえ真剣な目しててさ」
「気抜いたら、本気であなたのこと取られそうで嫌なんだよね」
辰.「だからさ、」
辰.「受験があるとか色々言い訳しないで、もっとちゃんとあなたと関わりたい。」
「ちゃんと、俺の彼女として。」
辰.「俺の悪いところも、あなたのことも、全部知りたい。知って欲しい。」
「他の誰かに入ってきて欲しくない。」
辰.「なんか長々と喋ってまとまんなくなっちゃったけど、とにかく、俺の気持ちは誰にも負けないよってこと。」
辰.「だから心配しないで?」
優しく笑う先輩のその表情が、
頬に触れてくれる綺麗な手が、
眩しくて、暖かくて、
心配しすぎなくても、
きっとこの人は私のことをちゃんと好きになってくれる。
だから私も、これからもっともっと先輩の隣で居られるように、
胸を張って、先輩の彼女で居られるように。
私.「先輩の気持ち、聞けて良かったです」
辰.「なんか恥ずいこと言った気がするわー、」
私.「めっちゃカッコよかったです!嬉しかったです」
辰.「…そ? なら良かった」
私.「……先輩、」
辰.「ん?」
私.「好きです」
辰.「ふはっ、うん、知ってる。」
「俺も、好きだよ」













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。