ころちゃんの柔らかな手、通る白肌、振れる声も、その僕の心を揺さぶる鮮やかな表情
全部好き
僕は誰もいない部屋でつぶやいた
分からない、分からないけど胸が締め付けられる
いつまでたっても
そんな気持ちが僕の頭の隅っこで
ぎゅっとしがみついてるから
泣きたくないのに
涙が出てくる
僕は泣きながら言った
見ないフリしようとしたって
僕が知らない君の笑顔がそこにあるんだもん
君の過去に手を伸ばしている僕を
「はしたない」
と窘めてるのは
諦めや妥協などでできた
やけに大人ぶる未来の僕だった
消してしまえたんだ
君が愚図ってた原因も
変わるフリしたって
過ぎるその感情ばっかりに
僕のよく知る
ころちゃんの本音があった
ころちゃんの心に空いた穴
でも、きっと
✄------キリトリ------✄
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。