第11話

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2018/04/10 13:04
日曜日。朝、いつもより随分早い時間に起きてしまった。時計を見ると5:30だ。せっかくの休みではあるがもう1度眠る気にもなれず、私は2階の自分の部屋から1階のリビングに降りた。
水瀬 怜 ミナセレイ
おはよう、お父さん。
怜の父
おぉ、おはよう。今日は早いな。
水瀬 怜 ミナセレイ
なんか目が覚めちゃって。
父はリビングのテーブルで新聞を広げ、コーヒーを啜っていた。辛いものだけでなく苦いものも苦手な父はコーヒーのブラックが飲めない。そのためテーブルにはいつものように砂糖とミルクが置いてあった。私が食パンを焼こうとすると、
怜の父
怜。
父に声をかけられた。
水瀬 怜 ミナセレイ
何?
怜の父
今日時間あるなら隣の部屋の押し入れ、整理してくれないか?昨日なんとなく押し入れ開けたら汚くてな…。
水瀬 怜 ミナセレイ
なんで私が…
言いかけてやめた。昨日のことで言い返す気力も失っている。父も今日はすぐに仕事に行き、帰りも遅い。兄弟もいないため私以外にやる人がいなかった。
水瀬 怜 ミナセレイ
分かった、やっとく。
私は返事をした。

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