第8話

建物の中。
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2019/02/05 10:17
しばらく走ったとこで…

階段があった。

下に降りる階段があるってことは……

ここは1階じゃないってこと…?

どこにあるんだろう、その彼らが言う"宝"というのは…。

階段を降りて、1階に着いた。

長い通路がずっと続いて…

所々で分かれ道がある。

今更ながら……、こわい…。

日もすっかり沈んで…窓から微かに入る光は

だんだん暗闇に掻き消されていく…。

外の生い茂った木の陰が、妖しげに室内で揺れる…

ここは…なんの廃墟なんだろ…?

作りからして…学校とかではないみたい…。

それに…さっきから感じてた…


この妙な空間……廃墟にしては…

建て替えたばかりのような綺麗な部屋もある。


…かと思えば、

廃墟にふさわしいくらいに不気味で…

薄汚れた部屋も……。

一体……


なに…?


最初は…

真っ直ぐに進んでみた…。

真っ暗でよく見えないけど…

この先は行き止まりだ…。

もと来た道を戻りながら、各部屋にも入ってみた。


ベットがあったり…

お風呂があったり、

元々はホテルか何かだったのかな…?


でも…



やっぱりおかしい…

廃墟なのに、やけにベットが綺麗に整えてある…

まるで……

昨日まで普通に誰かが暮らしてたみたいに…。

たぶん…
もう15分は経ってると思う……。



急に……焦りと恐怖心が芽生えた。




あなた『早く…宝を探してここから出よう……』

何気なく…


ある一室に入ってみた。
そこには、


モニターが並んでいた

さっき言ってた防犯カメラのモニターがある部屋か…。

モニターで…

アイツらの位置を確認した…。

7人らしき人影は

映ってない……。


でも……


いつ動き出すかわからない…

早く逃げなきゃ…

ドアを開け、
部屋から出た。

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