テオくんから彼女が出来たという報告をされた日以来、テオくんは本当に幸せそうに彼女の話を頻繁にするようになった
惚気話は止まることを知らない
最初は嫉妬の嵐でもう狂ってしまうんじゃないかと思ったけどもう慣れた
今は幸せそうなテオくんの顔が見れるだけでも幸せだなって思う
わがままを言うなら、その幸せそうな顔をさせてあげられる人になりたいけれど
え。テオくんの彼女さん来るの?
やだな
…でもちょっと気になる気がする
――――――――――――――――――――後日
2人が仲良さそうに手を繋いで入ってきた
本当に幸せそう
理想のカップルが目の前に広がっている
そんな存在になれなかったことが今さら悔しくなった
もしも俺に涙を出す勇気があるならその場で泣き崩れたい
だけどテオくんに嫌われたくないし、この空気を壊したくもない
だから二人を見て俺は黙って見てる事しか出来なかった
テオくんが発する言葉一つ一つが俺の頭の中で駆け巡る
そんな言葉、俺が言われたい
俺だってテオくんを照れさせてやりたい
叶わない思いが溢れそうになるのを必死に止めた
それからもずっと2人はラブラブしていて、だんだんとテオくんの彼女さんとも慣れてきて最終的には俺の中の嫉妬も和らいでいった
上目遣い…慣れてんなぁ…
テオくんもしっかりやられるのね笑
…はぁ…帰ってった…
嫉妬で狂っちゃいそうになったけど
あんなに可愛くて、優しい人なら
俺の恋が花開かなくても仕方ないよな
そう思っていた
あんなことが起きるまでは
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。