テオくんと知り合って、毎日学校に行くようになってから、俺の意味の無い毎日は少しずつ意味のあるものへと変わろうとしていたある日――――――――――
俺、これからテオくんと一緒に帰るんだけど…
…は?リスカしてるところを見てみたい…?
…リストカット…かあ
リストカットなんてしたら、テオくんはなんて言ってくれるかな
次の日の放課後――――――――――
怖い怖い怖い怖い怖い
そう思ってるのに自分の手は勝手に自分の右腕に伸びていく
(スッ…)
鮮やかな血が留めなく流れる
あ、やば、これ…止まるのかな
カッターを取り上げられる
完全に身動きが取れないように押さえられ、リーダーっぽいやつがカッターを俺の腕に当て、切る
それを何度も
やっと行ってくれた
どうしよう、まだ血、止まってないよ
あー、だんだんぼーっとしてきた
血が足りてないのかな
そういやなんか意識が遠のいている気がする
すると
あいつらの声…?
誰かになにかされたのかな…
――――――――――――――――――――
テオくんside
今日はじんたんと帰ろうと思って玄関でじんたんが来るのを待っていた
だけど…
教室行ってみてこよっかな
階段を上っていくと
今の声…じんたんの声だよな?
そう思い、急いで階段を上がり教室へ向かうと
廊下でじんたんのことを悪く言うヤツらにあった
あいつらが持ってたカッターに血がついてるのを見て一瞬で思った
じんたんをそれでなにかしたんだ
こいつら許さねぇ
弱いくせにじんたんを傷つけやがって
教室に入るとそこには―――――
血が出ている右手をだらんと下げ、椅子にぐったりと座り、目の焦点があってないじんたんがいた
その下には血だまり
するとやっとうつらうつらとしているじんたんが、俺の方を向く
生きてることに後悔し、泣いているじんたんは手の傷よりも痛々しくて耐えられなくて抱きしめた
と笑顔で俺に礼を言い、血を流しすぎたせいかそのまま俺に体重をかけ、寝てしまった
次に何かあったら俺がすぐに助けに行くから
何があってもお前の傍を離れないから
だから安心して…
じんたんを後悔させたりしないよ
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はいよく分からなーい!
これでも!これでも頑張ったつもり!だから…
褒めて?笑
あともうそろネタがなくなるな
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!