プリ小説

第50話

小話28〜消えていく日々〜
俺は毎日記憶が感情と共に消されている。

だから俺と今まで仲良くしてもらっていた人の名前だって、顔だって覚えてない

そんな自分が嫌で今まで人を避けてきた
((ガララ
今日も黙っていれば大丈夫


そう思っていた直後
テオくん
テオくん
…ぉ、おはよ…
…え?
何この人…知り合い、かな?
とりあえず挨拶だけして早く去らなきゃ
じんたん
じんたん
……おはょ……
よし、とりあえず挨拶はした、あとは去ってくれれば大丈夫
そう思っていたのに、そいつは俺が最も恐れていたことを聞いてきた
テオくん
テオくん
俺のこと…知ってる…よね?小学校から一緒だし!
やばい
記憶のことを聞かれたら…
とりあえずなにか返事をしなきゃ

そう思い、俺は
じんたん
じんたん
…へ?…あー…そ、そうなの…かな?
なんて曖昧な返事をした
すると、そいつは一瞬酷くショックを受けたような、悲しそうな顔をして
テオくん
テオくん
記憶…ないの?
聞かないで
これ以上俺に関わってこないで
なんて言葉は通用しないような気がして俺は
じんたん
じんたん
ん…っと…えと…し、小学校の頃の記憶が曖昧なんだよね!
やばい、不自然かな?めっちゃ焦っちゃったけど…
だけどそいつはなにかを察したように笑顔で
テオくん
テオくん
そっ…か!まぁー、これからよろしくな!
なんて言葉をかけてくれた
『よろしくな』初めて言われた気がしなくもない

何故か懐かしいような気持ちになって、去っていくそいつの姿を目で追ってしまった
――――――――――――――――――――(仁宅)
じんたん
じんたん
ただいま帰りました
研究者
おかえり、仁。
さぁ、ここに座りなさい
じんたん
じんたん
…っはい
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
いつも思う
どうしてか分からないけど
記憶が無いはずなのに座れと言われた場所を見るといつも過ぎるこの気持ち
だけど今日はいつも以上にそう思った
どうして?


あぁ、そうか…あいつに話しかけられたことが嬉しかったんだ。失いたくないって思ってるんだ…
研究者
何を拒んでいる?早く座れ
じんたん
じんたん
っ!いや!やだ!





ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!



………
そう、強引に座らせられ激しい頭痛と共に俺は意識を失った
――――――――――――――――――――(次の日)
じんたん
じんたん
んっ…ここは?
研究者
おはよう
じんたん
じんたん
っ!?誰…
研究者
お前の親のような存在だ。
今日は学校に行く日だ。
さぁ、準備をして行くんだ
ただし、お前の記憶が無いことは誰にも言うな
言えばお前にとって最悪な未来が待ってる
じんたん
じんたん
は…はい
――――――――――――――――――――(学校)
ここが俺の学校…とりあえず入るか…記憶がないことがバレなければ大丈夫…
((ガララ
テオくん
テオくん
お!仁くんおはよう!
じんたん
じんたん
…へ?
仁くん…?え?何この人…知り合い、かな?
とりあえず挨拶はしなきゃ
じんたん
じんたん
…あ、おはょ…
するとそいつは「え?」みたいな顔をしてきた
テオくん
テオくん
なんか…あった?
俺なんかした?
何もされてないけど……分からない
この人が何故こんなにも絡んでくるのか
頭が混乱して俺はなんていえばいいのか分からなくて
じんたん
じんたん
……あ、いや…えと…
と、戸惑っていると
そいつは虚空を見つめ、ボーッとしていた
なんでそんなぼーっとしてるのか分からないけど…
とりあえずバレないためにもこの場を去っとかなきゃ!!


俺は急いでその場から逃げた
なんだかよくわかんなかったけど…だけど…挨拶だけなのにこんなにも嬉しいものなんだ…
だけど…こんなに嬉しい気持ちも1日しかもたない

悲しい現実は毎日やってくる









そうやって俺は今日も、明日も、明後日も書き加えられた俺の記憶が白紙に戻されていくんだ

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あさめ
あさめ
こんにちは。友達が私の知らない人に向かって「文系のくせに日本語しゃべれねぇのはマジでクソだわ爆笑」って言ってるのを見て関係ないのに一人で傷ついてる系女子です。死にてえ…あ、よろしくお願いします