第34話

伝える
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2019/07/27 00:59
〜数日後
橘啓輔
橘啓輔
あなた、あの件大丈夫だ。
他の奴らにも報告したらどうだ?
あなた

じゃあ白石先生と藍沢先生には言っておきます。

橘啓輔
橘啓輔
あぁ。
あなた

あ、白石先生!

白石恵
白石恵
おー、どうしたの?
あなた

今日、日勤ですよね?藍沢先生も?

白石恵
白石恵
そうよ。
あなた

じゃあ終わったら医局に来てもらえませんか?

白石恵
白石恵
えぇ、わかった。
藍沢先生にも伝えておく。
あなた

お願いします。

〜医局にて
ガチャ
白石恵
白石恵
あなた先生お待たせ。
藍沢耕作
藍沢耕作
何の用だ?
あなた

すみません。

白石恵
白石恵
緋山先生と藤川先生も?
あなた

あ、いえ、お仕事中ですし。

白石恵
白石恵
緋山先生達ちょっと席外してくれない?
緋山美帆子
緋山美帆子
はー?何で?なにするのよ。
あなた

大丈夫です!すぐ終わるんで。

白石恵
白石恵
で、どうしたの?ほら藍沢先生座ってよ。
藍沢耕作
藍沢耕作
ふー。
あなた

私…翔北を辞めることにしました。

白石恵
白石恵
え?
緋山美帆子
緋山美帆子
え!?
藤川一男
藤川一男
はー!?
白石恵
白石恵
どうして?考え直してくれたんじゃなかったの?
あなた

考えました。あれからずっと。
藍沢先生達や同期のみんなにもらった言葉の意味を考えて。

白石恵
白石恵
うん。
あなた

だから医者は辞めません。
医者を辞めたら、私は一生あの事故から、自分自身から逃げる事になるから。

藍沢耕作
藍沢耕作
ここは辞めるのか?
俺がいるからか?
あなた

違います!ここでもたくさんの事を学ぶことはできます。でも私はあの事故があって医者になったんです。亡くなったお父さんとお母さんとお姉ちゃんのために。だから橘先生に心臓の専門病院を紹介してもらったんです。


ー ー ー数日前
あなた

橘先生。

橘啓輔
橘啓輔
おぉ。どうした?
あなた

お話があります。

橘啓輔
橘啓輔
なんだ?
あなた

医者は辞めません。

橘啓輔
橘啓輔
ならよかっ
あなた

心臓の専門病院を紹介してください!

橘啓輔
橘啓輔
…ここは辞めるのか?
あなた

すみません。

橘啓輔
橘啓輔
謝る事じゃない。
あなた

私は自分の家族のために何かしたいと思ったんです。あの時、藍沢先生が一生懸命お父さんを救おうとしてくれた事が分かりました。だから誰かを責めるんじゃなくて自分が変わらないといけない。

橘啓輔
橘啓輔
お前の気持ちはわかった。
ー ー ー
あなた

2週間後に兵庫県の神戸心臓外科病院に行く事になりました。

白石恵
白石恵
2週間後!?
緋山美帆子
緋山美帆子
兵庫県!?
あなた

はい。

白石恵
白石恵
1人で決めたの?
あなた

私の人生なので。

白石恵
白石恵
相談くらいしてくれたらよかったのに。
ほんとに責任感は強いのね…。
藍沢耕作
藍沢耕作
それ、お前が言うか?
あなた

白石先生は責任感がありすぎです。

藍沢耕作
藍沢耕作
俺もそう思うな。お前でも同じような感じだと思う。
白石恵
白石恵
そうかなー。
緋山美帆子
緋山美帆子
あんたがそう決めたならいいんじゃない?
白石恵
白石恵
うん。私達は応援する事しかできないからさ。
藤川一男
藤川一男
頑張れよ。
あなた

ありがとうございます!

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