第3話

邪魔者
23,603
2019/11/10 13:42
葬儀は全てスンチョルさんが仕切ってくれた
私はただ、
来てくれた人に挨拶をするだけ

知ってる顔に会うと
出そうになる涙をこらえて
無理やり笑顔を作った






全てが終わって
夜は何人かの親戚だと言う人達

父親のおじさん、おばさん達
母親の方はスンチョルさん

「うちは子供が3人もいるから」
「うちも年頃の娘たちがいるから…」

大人達は私を邪魔者扱い


いいよ別に
これから頑張って
一人で生きてやる

お父さんとお母さんの残した遺産で
頑張って生きてやる





「俺が引き取ります



俺があなたを引き取ります」





迷いのない
はっきりとした言葉


「高校だって通える位置にあるし
何なら進学だってさせてやれる

俺があなたを引き取ります




いいですよね?」

「…遺産を使い込む気か?」

…おじさんてば…
呆れるわ

「遺産はそのまま使いません
あなたが必要な時に使わせます

俺の稼ぎだけであなたは養えますから
ご心配なく」




そう言捨てる顔は真顔で少し怖かった

けど、

私の方を振り返った時

ふにゃって顔が崩れて

「勝手に決めてごめんけど、いいよな?」



そんなこと
そんな顔で言われたら
断ることなんてできなかった

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