1日の授業が終われば
帰宅部の私は、あとは帰るだけ
…そう言えば
ソクミンさんが迎えに来るとか言ってたっけ?
多分ジュンさんも来るはずだから
騒ぎになる前に学校を出なきゃだよね
「あなた、ソクミニヒョン達
正門の前で待ってるって」
……終わった
『あ、そう、ありがとう』
チャニにお礼を言って
マッハで教室を出る
正門には人だかりが出来てて
女子たちがキャイキャイしてた……
「あ、あなたちゃーん」
「ちょ、ジュニヒョン、」
ジュンさんがこっちを見て名前を呼んだから
周りの女子が振り返る
ソクミンさんの眉毛が
いつも以上に下がったから
きっと申し訳ないとか思ってくれてるんだろうな
ジュンさんの事だから悪気はないんだろうし
……コンビニでアイスかお菓子でも買ってもらおう←
「ごめんね
正門前で彼女を待つ
みたいなのやってみたかったんだよね」←
やっぱりソクミンさんは確信犯でしたか
「俺が待ってたって自慢していいよ!」
……国宝級の顔面をお持ちですもんね
「今度から直接連絡取れるように
連絡先教えて?」
歩きながらポケットから携帯を出して
自然な流れで聞いてきたソクミンさん
だけど
『あー、携帯解約しちゃったんです』
親が亡くなった後
スンチョルさんのお世話になることが決まったから
バイト先が決まるまでと思って
携帯解約しちゃったんだよね
「現代人の必須アイテムだと思ってた」
まあ、ジュンさんの言う通りなんですけどね
『これからバイト探して
それから携帯持ちますから
そうしたら連絡先交換してくださいね^^』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。