『おい、そこ〜』
『授業中だ〜』
「何やってんだよ〜笑未葉と……美音」
『反省してないだろ…』
私と未葉は、似ている
いや、似させている
未葉は、陽気で明るくクラスのムードメーカー的存在。
私は、地味で席の隅っこの方で本を読むのが好きだ。
いわゆる、月が太陽の振りをしている
皆言わないけれど、思っているだろう。
「月が太陽の振りするな」って
未葉は私と
あぁ、聞こえてるよ。
やめてよね。そんな事言うの。
何?なんか言ってる。
-------------ウゥーーウーウゥー-----------------
救急車だ。この音大っ嫌い
未葉がいてくれてよかった。話し相手がいて。嬉しあ
.
何か。
嫌だ
ダメ、
キキー
あぁ。十字路に鈍い音が鳴る。
色んな人がいる。悲鳴をあげる人。
SNSに載せようとしてる人
なにか声を荒あげてる人
そんなの。聞こえない
フラフラと真っ赤っかな、未葉の元に行って
返事もしないはずなのに…
ただ、泣き叫びながら名前を連呼した
綺麗な白い肌が。台無しだよ、真っ赤だよ。
私だ。私が殺したようなもんだ。
あの時三葉を無理にでも返しとけば未葉は
事故に合わなかった。悪夢だ。
そうだ、悪夢だこれは、夢なんだ
早く、目が覚めて。お願いだから。夢であって
死なないで
幸せだった暑い日
ある少女の泣き叫び声と救急車の音が鳴り響いた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。