第6話

ツレテイッタナンテ…(病院でのポエム?)
45
2018/11/26 14:17
「連れて行ったなんて…」

慕われやすかったあの人

病院でも誰とでも仲良くなって

退院する人からお礼のプレゼント

それが繰り返される日常


中心で笑っていても どこか孤独なあの人

集まりやすいけど その分離れやすい

気にすることはなく また寄ってくる

それが当たり前になっている日常


眠りから覚めなくなったあの人

いつも通り眠りについただけなのに

深い眠りの中彷徨ってるのだろうか

それがこれからの新たな日常



一度も目が覚めることはなく

そのまま永遠の眠りへと



実は寂しがり屋だったあの人

でも死に際は身内には見せたくなかった

だからもっとも親しい看護師にだけ

看取ることをお願いしていたと後日談



有言実行を心掛けるあの人

こればっかりはタイミング次第なはず

それでも実現してしまうなんて

いつも通りだねとしみじみ後日談



慕われていたあの人

病院内顔見知りだらけ

永眠から数日の間に多くの人が追いかけた

連れてったのかもねと看護師の後日談



連れていったなんて言わないで

だけどやっぱりあの人らしいね

死後の世界があるとしたら

みんなで談笑しているといいな










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