前の話
一覧へ
次の話

第4話

告白
16
2019/07/11 05:01
公園に居る時の記憶はほとんどない。
覚えてることは一つだけ。

ひとしきり夜の公園の遊具で遊んだ後、ブランコに二人で乗りながら他愛もない話をしていた。
すると彼が急に真面目な口調で話し出す。

「今、好きな人とかいるの?」

私は心臓が飛び出るかと思った。好きな人はあなたです。とは言える訳もなく

「いるよ」

とだけ伝えた。

「誰?俺の知ってる人?」

「んー知ってると思う…」

「あのさ…」

「ん?」

「俺。好きなんだよね。」

「え?」

「お前のことが…。」

「え?」

一瞬何を言われてるのか理解できなかった。
頭がフリーズするって多分こういう状態のことを言うんだろうな笑

「俺。お前が好きなの。そんでお前と付き合いたいって思ってる。」

ええええええええええ!?

「ほんと…なの?」

かろうじで言えた言葉はこれだけ。

「うん。話聞いててさ、素直に守りたいって思った。お前は?どう?俺と付き合える?」

言いたい。私も好きって言いたい。けど言葉が詰まって上手く言えない。

「あーごめんな。急かすつもりはなかったんだけど笑」

そう笑いながら私の頭を撫でてくれた。

「す…き…」

「ん?なに?」

「私もあなたが好き…です…」

精一杯の気持ちを込めて伝えると急に目の前が暗くなった。

「よかっっったぁぁぁ…めっちゃ緊張したよ俺…笑」

私は彼に抱きしめられていた。
いい匂い。男らしくたくましい腕に包まれながら私は幸せを感じていた。

プリ小説オーディオドラマ