部屋に入ると
樹が抱き締めてきた
抱き締めたまま
髪を撫で
背中を撫でる
こちらはただ
樹の薄い胴体に手を回して
くっついているだけだった
言われるがまま
ベッドに横たわる
添い寝してきた樹が
さっきと同じように
体を撫で回す
別にそこまで嫌なことをされているわけでもなく
触られるがままにしていた
ただ
ずっといいところは触ってくれない
それが続くなか
大我が部屋に入ってきた
服を脱いでベッドにまた横たわる
目を閉じて深呼吸して
樹が震えるローターを当ててくるのを受け入れる
首筋
脇腹
時々くすぐったいこともあるが
敏感なところには触れてこないので
特に声が出てしまうことはない
指をスッと入れて確認してから
電源を切ってあるローターを挿入した
指を口の前に差し出される
口を開けたら入れてくれると思ったら
入れてくれないので
舌を伸ばして舐める
さっきから何度も触られた
首筋
肩
腕
手首
鎖骨
鎖骨でしばらく遊んでから
少しずつ下に降りていく
体がビクビクする
この程度で感じるなんて
媚薬を盛られたみたいだ
ローターのスイッチを入れて
上に覆い被さる樹
顔が近づいてきて
深いキスをする
キスでも気持ちよくて
呼吸が浅くなる
お腹を適当に撫でられるだけなのに
その程度で
体がビクビクする
樹は素手で、大我は電マで乳首を責める
脚をばたつかせて快感を逃がしていく
やっと触ってもらったところに
刺激を感じて体が反応する
気持ちよすぎて声が出そうになるが
口を閉じたりして声を抑える
十分なほど楽しんだようで
ようやく解放された
思いきって大我の股間に触れてみる
大我に説明しながら
奥を突いてくる
しっかりいいところを探して突いてくる
さっきまでのやりとりを忘れるくらいの
気持ちよさが押し寄せる…
腰に添えられた樹の手首を
ぎゅっと掴む
いいとこを突かれて
頭が真っ白になる
脱力して肩で息をしていると
樹が離れていった
キャップを開けてない水のペットボトルを持ってきて前に差し出される
体を起こして未開封のペットボトルを受け取る
グッと力を入れてキャップを開けた
声を我慢していても、喉は渇く
癖…というかそっちの発想で自然と体が動いていた
…恥ずかしい
両手のペットボトルとキャップをそれぞれ差し出す
何も言わないで
ベッドに体を倒して大の字になった
服を脱ぎ産まれたままの姿で
視界に入ってきた大我
私がタイマンでやらなきゃいけなかったことを
樹がやってくれてる
ちょっと強引なところは苦手だけど
それくらいリードしてくれてるほうが
ちょっとかっこよく見えたりする
樹が部屋から出ていきそうだったので
体を起こした
大我は隣でぐったりしてる…
ゴムをつけたままのそこに
とりあえずティッシュをかけておく
さっさと部屋を出ていってしまった
部屋着と下着を雑に掴んで
ベッドに横たわる大我を残して
お風呂に向かった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。