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2021/09/25

第6話

君優先の人生だから。
庭園の渡り廊下を歩くと襖が開いた。


「…楝さん」

「あなたちょっといらっしゃい」

「…」

「随分久しいわね」

「そうですね」

「今まで何をしていたの?」

「何もしていませんよ。あなたが気にするようなことではないですよ。」

「そう」


するとまた、自分が歩いてきた廊下から足音がする。


「…はとりにぃ」

「あなた…?」

「っ、はとり…!何してる!離れろ!何度言えばわかる!気安く触るな!」

「慊人。慊人違う。ただ挨拶されていただけだ。」

「そうよ?挨拶していただけよ」

「…はとりにぃ。早めに、戻った方がいい」

「…あなたも一緒に戻るんだ。」

「……うん」



「付き合わされる十二支のみんなが不憫だわ」

「っ慊人!」

「慊人!!」


慊人は楝さんに飛びかかった。

勢いに身を任せて首を、締めていた。

慊人の大声を聞いて、女中たちが気づいたのか足早に庭へ来た。そして去っていくかと思えば、慊人を見下すように通り過ぎていく。


…でなんで…あいつは酷いことばっかり言うんだ……」


はとりにぃは無言で慊人を横抱きして部屋へと連れ帰った。ただ呆然と立ち尽くす僕が一人残された。


「慊人は放っておけなくて、僕のことはどうでもいい、か。」


わかってる。“神”である前に、一人の女の子だと。それくらいは理解してるつもりだ。

じゃあ僕はどうなるんだろうか?

だから、楝さんの言うことも正しいのではないかと思う。

でも何故か憎んでも、足掻いても、反論しても、どれも答えが違うような気がした。

もうどうにもならないんだろうか。